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サンパウロ日伯援護協会に非難の声

 サンパウロ日本ブラジル援護協会(援協)は、日系人の医療、老後、福祉を担当している日系社会最大の福祉団体です。傘下に病院、診療所、老人ホーム、養護施設などを抱え、日系社会からの寄付を仰ぎながら運営を続けています。8月には、日系人の町リベルダーデに新しいビルが竣工、診療所、事務局もそちらへの移転が予定され、華々しく竣工式も行われる予定です。
 その援協が非難の声にさらされています。非難の火の手をあげたのは、ブラジルの有力日本語新聞、サンパウロ新聞。1日付の紙面を紹介しましょう。以下その記事の要約です。
 「耳鼻咽喉科の医師、検査技師説明責任を果たさず」
 サンパウロ日伯援護協会がサンパウロ市で運営する総合診療所で診察を受け、その診療、請求金額などについて不信感を抱いた患者Aさん(22)が本紙記者に相談、記者は医師および検査技師らに対しAさんへの説明を促すと同時に同診療所関係者への取材を行った。これに対し援協は、医師による説明や検査技師による患者への説明をなかなか行わず、援協の担当者は何日にも渡ってこの問題を放置、迅速な対応を怠り、医療福祉団体としての資質を疑わざるを得ない状況が明らかになった。
 同紙はこのように援協を告発しています。確かに、診療所も、病院も一番大切なのは患者との信頼関係。患者が治療、請求書に不信感を持てば、その不信感を払拭するのは最優先課題です。この記事のようにAさんから説明を求められて2,3週間も放置していては、援協が非難されてもしようがなく、医療行為そのものに不信感が広がり、このままでは病院、診療所の自殺行為になりかねません。
 援協側のコメントは掲載されていませんが、援協としては問題が大きくならないうちに、危機管理体制の立て直しをする必要がありそうです。