サンパウロ新聞社が記者を総動員して取材、連載した「ブラジルへ渡った100人の女性の物語」が一冊の本にまとめられ、さきごろフォイル社から発売されました。定価は1500円（＋税）。
この本は、昨年のブラジル日本移民100年の記念事業の一環として企画、サンパウロ新聞で連載され、それをまとめたものです。これは今までの移民史の多くの本と違い、100年の移民の歴史を女性の側から綴ってあり、異色の移民史といえます。移民といえば、男性が中心の社会であり、テレビドラマなどもその多くは男が主人公でした。さきごろのＮＨＫドラマ「ハルとナツ」は女性姉妹が主人公でしたが、ここに描かれた移民の女性の苦労はほんの一端に過ぎませんでした。
「ブラジルへ渡った100人の女性の物語」には100人もの女性の移民史が語られており、読む人の心を打ちます。農作業、家事、育児と多くの仕事に追われて生きてきた女の姿が浮き彫りにされており、ある意味では移民史は女性の歴史ではなかったかと思うほどです。移民史の貴重な記録ともいえましょう。
