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サントリーがブラジル再進出

 サントリー酒類株式会社(本社・東京都港区)は2004年のブラジル撤退から9年後の今年、日本ウイスキー市場の売り上げの半分を占めるといわれる怪物商品「角ハイボール」の11月本格市場投入を目的にブラジルへ再進出しました。19日、サントリーサンパウロ市内で相場康則社長、阿部哲海外事業部長、吉田辰史ブラジル・サントリー社長らが出席して行った記者会見で再進出を発表しました。
 サントリーはかつてサンパウロ市ピニェイロス区で鉄板焼ステーキハウス、パウリスタ大通り近くで高級日本レストランを営業、サンロッケ市ではウイスキー「オールド」、リキュール「ミドリ」を製造していました。1980〜90年代に猛威を振るったハイパーインフレによる経営悪化により撤退しましたが、現在の好調なブラジル経済と親日的な国民性を考慮してカムバックとなったものです。

人気の角ハイボールを11月から販売

 この10年、日本のウイスキー市場で「一人勝ち」となった同社の主役は、戦後日本のウイスキー愛好者にとってはなじみの深い「角瓶」でした。ブラジルに長く住む日本人には、「なぜ今ごろになって角瓶?」と考える人も多いようですが、サントリーの角瓶での再進出は、日本市場制覇の流れをブラジルでも、という狙いのようです。

狙いは女性

 相場社長によると、日本のウイスキー市場で「一人勝ち」したのは女性市場を狙ったからで、スコッチ、バーボン、カナディアンそしてジャパニーズといったウイスキーの種類の中、さわやかな飲み口が特徴のジャパニーズをさらに強調できる飲み方として、50〜60年代の日本で男性たちに好まれたウイスキー炭酸水割り「ハイボール」に着目、日本ではこれにレモンを加えたカクテルとして主に女性向けに発売しました。有名女優を起用したテレビCMの効果もあって女性市場を大きく開拓、爆発的な売れ行きを見せ、ブラジルの女性市場でも「これでいける」と判断、再進出となったようです。