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老舗のブラスビア旅行社、58年の幕閉じる

 58年も前からブラジルの日系旅行社として、日本とブラジル間の往来の手助けをしてきたブラスビア旅行社(石井久順社長)が、日本移民百周年記念の大きな仕事を無事終えたのを機会に、惜しまれて今月末、会社を閉じることになりました。同旅行社は、日系社会で活動している中で一番古い歴史を持っています。
 同社は1951年、農業協同組合や、ブラジルの農業界の発展に寄与するために、コチア産業組合、南伯協同組合、サンパウロ中央会などの関係者の支援で、加来晋一、曽我部ルイス、古賀さんによって創立され、井上ゼルバジオ・コチア産組会長最高顧問、西村一喜ゴダイ社長を相談役、橋本正敏サンパウロ中央会専務を副社長に迎えて、コチア青年移住者の子弟教育のための訪日団結成、ブラジル4Hクラブ創立20周年記念に日本へ全国大会や試験場での研修派遣に協力するなど、農業団体関係の日伯交流に貢献してきました。同社を牽引してきた社長は大平治、小林継男、阿部牛太郎氏と変わり、1994年から石井氏が社長を務めていました。
 コチア、南伯など大手組合崩壊後も、全農、全中などの日本の大農業団体との連携は続き、特に日本の財政界や農業界、ボーイスカウト活動を通じて、太いパイプを持つ石井現社長が、農業関係の顧客層や一般コロニア、商社関係者の顧客も掴み、順調に営業業績を挙げていましたが、昨年末からの経済危機、百周年祭の疲れ、古希を迎えた石井氏が転機を決意したことなどから廃業を決意したものです。