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ヴァリグ航空、中国人投資家が手中にする

 破産取り扱い裁判所によるヴァリグ航空の競売で、アエロ・トランスポルテス・アエレオス社(元ヴァリグ航空の子会社だったヴァリグログの新設した子会社)が2400万ドルで競り落としました。

 アエロ社の親会社ヴァリグログを買収したのはヴォロ社で、どういった会社かはっきりしていません。ヴォロ社の代表はブラジル人のようですが、バックには米系マトリン・ペターソン投信会社がいるといわれ、同投信会社の中心は的な投資主である中国人のラップ・チャン氏(39歳)が実際のオーナーという見方もあります。チャン氏はすでにヴォロ社が買収したヴァリグログの社長をしています。ヴァリグ航空買収劇でチャン氏は、ヴァリグ問題が浮上以来ブラジルに滞在し、頑張ったそうです。その甲斐があり、複雑な訴訟問題などを解決、ついにヴァリグ航空買収までこぎ着けたというところです。ラップ・チャン氏は香港クレデイ・スイスの重役で、同氏が参加しているマトリン・ペターソン投信会社は、破綻企業を安く買い叩き、再建して高く売るのを主業としているそうです。

 ただ、この落札劇にはまだ問題があり、ブラジルが軍政時代に制定した民間航空法によれば、航空会社の資本金の20%以上を外国人が所有することを禁じています。航空法によれば民間の営業する空輸も、空軍活動の一環とされており、今回の買収劇にはこれがクリアできるかどうかという問題が残るのです。もう少しは紆余曲折がありそうです。