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ブラジル企業買収で基盤強化の武田薬品

 製薬大手の武田薬品工業(長谷川閑史社長、本社/大阪府)は25日、ブラジルで基盤強化するためリオ・グランデ・ド・スル州に本社を置く中堅製薬会社ムルチラブ社を買収すると発表しました。買収額は5億レアルで、ムルチラブ社の株を取得します。2012年9月までに手続きを完了する見込みで、武田は今後、株を売却する2人の株主に対し最大で4000万レアルのマイルストン(医薬品開発の進捗に伴って発生する新規化合物発明者への支払金)を支払います。
 武田薬品の買収でムルチラブ社は武田ブラジル(Takeda Farmac黏tica Brasil Ltda.、本社/サンパウロ州)の100%子会社となり、武田ブラジルは高品質のブランドジェネリック及びOTC製品(薬局などで販売される一般用医薬品)の拡充が実現します。武田ブラジルはブラジルでの医薬品売上高で上位10社に入ることになります。
 ムルチラブ社は1988年に創業、2011年度の売上高は1億4000万レアル。ブランドジェネリックやOTC製品等、ブラジル医薬品市場で需要の高い製品を中心に取り扱っており、09年以降、売上高は年20%以上伸びています。同社はまた、国内でも著しい経済成長を示している地方都市を地盤とする中小薬局チェーンを通じた販売・流通に強みを持っており、大都市を地盤とする大規模卸や薬局チェーンを中心とする武田薬品のブラジルの事業基盤との相互補完効果が期待されます。