中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

ブラスケムがペトロブラスと協力、クアトールを買収へ

 ブラジル最大の石油化学メーカー・ブラスケムは22日、国営石油会社ペトロブラスとの間で、ライバル社であるクアトールの買収に関する取り決めを行ったと発表しました。買収に向け、ペトロブラスは25億レアル、ブラスケムの親会社である複合企業オーデブレヒトは10億レアルの資金を準備します。
 バイーアやリオ・グランデ・ド・スルなど5州13のプラントで、年産400万トン近くの合成樹脂を生産するブラスケムは、2009年から5年間で同分野に56億ドルを投資する計画のペトロブラスと共同出資、新株式会社「BRK石油化学投資」を設立し買収作業を行います。買収は5月末までに完了する計画です。
 この買収で、国内市場を独占することになるブラスケムは、26工場で年間550万トンの合成樹脂を生産、総売り上げ258億レアル、経常収支で194億レアルという米大陸最大、世界でも8位の石油化学メーカーになると見られます。
 ペトロブラスにとっては、同分野への出資は約20年ぶり。ブラジルは現在、石油化学製品の20〜25%を輸入に頼っており、ますますの需要拡大が見込まれる同産業に政府がてこ入れし、活性化させるのが目的です。
 <ブラスケム>
 本社をサンパウロにおく石油化学事業会社。南北米大陸においてエクソン・モービルダウ・ケミカルに次ぐ第3位の事業規模。