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日伯交流に尽力の野村元連邦下院議員死去

 日本語が巧みで、政治家らしい声で演説がうまく、日本の政治家とも交流の深かった野村丈吾氏(のむら じょうご=元連邦下院議員)が19日、呼吸不全のためサンパウロ市のサンタ・クルス病院で死去されました。享年85歳でした。
 野村氏は、サンパウロ州レジストロ出身。1945年(昭和20年)サンパウロ大学歯学科卒。マリリア市で歯科医開業。1951年、マリリア市会議員となり、政治家としての道を歩みはじめます。
 1960年、サンパウロ州議会議員(PL=自由党)を経て1974年、連邦下院議員に選出され5期勤めました。この間、出稼ぎ問題に関連して、外国への就職斡旋を禁じた刑法(206条)改正案を提出、立法化に尽力しました。
 外交委員長、「日本・ブラジル国会議員グループ」副会長、「ブラジル・イタリア国会議員グループ」、「ブラジル・ドイツ国会議員グループ」、「ブラジル・韓国国会議員グループ」副議長などを歴任。外交委員会「南極の中のブラジル」の発議者で議長を勤め、日伯交流にも大きな貢献をされました。なお、サンパウロ市議の野村アウレリオ氏は子息。
 安部順二モジ・ダス・クルーゼス市市長は、<戦後の日本人への風当たりの厳しい時代から政治家として尽力してきた恩人だ。日系人は4世、5世の時代になってきているが、日本人の顔をしている限り、野村さんの功績やコロニアの歴史は、時代を超えて語り継がれなければならない>と故人の遺徳を偲んでいました。