中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

クーニャ前下院議長を拘束

 国内各メディアによると、国営石油ペトロブラスにからむ汚職に関与したとして起訴されているエドゥアルド・クーニャ前下院議長(すでに議員失職)が19日、ブラジリア連邦直轄区で連邦警察により拘束されました。クーニャ氏は下議在職中、ペトロブラスの掘削船契約やアフリカにおける事業にからんで賄賂を受け取ったとして連邦最高裁判所に起訴されていました。
 9月になってクーニャ氏は、議会調査委員会で「スイスに本人関連とされる銀行口座は存在しない」と証言していましたが、実際には存在が明らかになり、虚偽の証言をしたとして提出された議員資格剥奪請求が下院本会議で可決され失職しました。同氏は口座の所有者であることを否定しています。議員失職に伴い、クーニャ氏の身柄は最高裁から、同汚職捜査第1審を担当するパラナ連邦裁判所へ移されていました。
 19日の拘束は、パラナ連邦裁判所のモロ判事による予防勾留令状に基づき行われました。検察は、クーニャ氏が自由な状態でいることは訴訟審理および公的秩序に悪影響を及ぼし、同氏がイタリアとの二重国籍であり、国外に資産を隠匿している可能性から逃亡の可能性があるとして拘束を求めていました。
                      ◇
 サンパウロでは、来日中だったテメル大統領が急遽予定を変更し帰国したのも、このクーニャ元下院議長の拘束と関係があるとの見方がされています。