中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

アマゾンで行方不明2人の遺体発見か

 ブラジルのメディアによると、アマゾンでガイド役の先住民と英国のジャーナリスト2人の捜索をしている陸軍、海軍、アマゾナス公安、連邦警察の合同捜査チームは14日、失踪に関与した疑いで「ドス・サントス」として知られるオスニー・ダ・コスタ・デ・オリベイラ(41歳)を逮捕しました。逮捕されたオスニーは、先に逮捕されたアマリルドの兄弟で、連邦警察が尋問を開始しています。

 連邦警察が最高裁判所に報告した経過によると、先に逮捕されたアマリルドの家宅捜査でアマゾナス憲兵隊は、軍のみに使用が許可されている弾薬や多くの禁止薬物を発見しています。また消防署は、捜索中に行方不明の2人のものと思われるバックパック、ショートパンツ、ノート、シャツ、ズボン、ビーチサンダル、ブーツも発見しました。

 ジャーナリストの家族によると、在伯英国大使館から行方不明の2人と思われる遺体を発見したと連絡があったと話していますが、捜索を行っている現地の連邦警察と先住民族協会は、「2人の遺体が発見された」という情報を否定しています。

 捜索には、ジャングルに詳しい軍事専門家、3台のドローン、20台の車両が動員されています。

闘牛は文化か、動物虐待かで論争=メキシコ=

 ブラジルのメディアによると、メキシコシティにある世界最大の闘牛場が10日から、ショーの開催が中止されています。5月下旬、裁判所が動物愛護の精神に反するとして、闘牛ショーを禁止する命令を出したためです。裁判所は「闘牛は環境を健全に保つ権利を侵害し、それは人権侵害につながる」と説明しています。

 これに対し闘牛場関係の弁護士は、「公演禁止の決定はまだ最終的なものではない」と述べ、今後開催される可能性を示唆しています。裁判所は「最終決定が下されるまで、闘牛場への扉は閉鎖する」と命令し、継続か、中止かは明らかにしていません。

 メキシコでは2019年以来、闘牛を禁止するか許可するかについて議論が続いてます。闘牛支持派は「歴史的な文化遺産」と主張し、反対派は「雄牛がいじめられて死ぬ」と動物愛護を強調します。

 メキシコシティ議会でも議論が続けられていますが、闘牛反対派がやや有利なようです。2021年12月の最初の投票では、闘牛終了賛成が過半数を占めました。現在は賛成、反対両派がロビー活動を活発に行なっているところです。ただ、最終決定は議会ではなく裁判所が行う予定です。

伯大統領、米大統領に再選の協力求める

 ブルームバーグ通信社によると、9日行われた米伯首脳会談でボルソナロ大統領がバイデン大統領に、10月行われる大統領選での再選への協力を求めました。ブラジル国内での世論調査ではルラ元大統領が支持率トップですが、ボルソナロ大統領は「ルラ氏の政策は米国の利益に反する」と指摘し、協力を求めたものです。12日付けブラジル・メディアが報じました。

 同通信は、この要望にバイデン大統領は返答することなく、話題を転じたとしています。また、ボルソナロ大統領は電子投票を主導する上級選挙裁判所を攻撃し、選挙の公平性に疑問を呈しています。これについてバイデン大統領は「選挙の公平性を維持することは重要」と強調したとされています。

 米伯首脳会談は、米州首脳会談が開かれているロサンゼルスで行われました。米州サミットにはボルソナロ大統領も出席しており、米伯会談は米州サミットの合間に行われました。

難航するアマゾンで行方不明のジャーナリスト捜索

 ブラジルのメディアによると、新聞や国際通信社の編集者が9日、アマゾンで行方不明になっている英国人ジャーナリストとガイド2人の捜索を強化するようボルソナロ大統領に要望書を送りました。2人が行方不明になったのは5日のことで、アマゾナス州西部をボートで走っているところまでは確認されていますが、その後消息がわからなくなりました。

 行方不明なのは「ザ ガーディアン」、「ワシントン ポスト」などに寄稿しているドム・フィリップスさんと案内役の先住民ブルーノ・ペレイラさんです。消息がつかめなくなってから3日以上も経ちますが、ブラジル側の捜索活動がなかなかスピードアップしないことから、この直訴になりました。

 要望したのは「The Guardian」、「The Washington Post」、「New York Times」、「Wall Street Journal」、「Folha de SãoPaulo」、AP通信、France Presse、Bloomberg Newsの各編集者と行方不明者の家族です。アマゾン現地からの報告でも「捜索活動の動きが鈍い」と指摘しています。

 捜索は陸軍、アマゾナス公安局、海軍が協力して行っており、捜索支援の航空機も送ったとしていますが、現地で捜索を行っている先住民連合(Univaja)は 、「これまでのところ上空を飛行した飛行機を見たことはない」と語っています。

 警察は匿名で通報された情報により、麻薬関係の人物を拘束、行方不明者との関係がないか調査を続けています。この地域は先住民の土地で、争いの絶えない地域と言われます。

ブラジル大統領、米伯二国間で首脳会談

 ブラジルのメディアによると、ボルソナロ大統領は8日に米国ロサンゼルスで開催される米州首脳会議に参加のため出発します。米国では首脳会議の合間に米伯二国間で首脳会談を行う予定です。米州首脳会議では南米、中米、北米各国の首脳が、北中南米地域の民主主義の強化について話し合われます。

 今回の米州サミットは、バイデン大統領がラテンアメリカ諸国との関係を再構築しようとする試みです。米国政府によると、ラテンアメリカとの貿易協定を策定するための新しい経済プランへの合意を求め、増大する移民への対策などを提示する予定です。この他、米国は、ラテンアメリカへの中国の侵入を緩和するための主要な経済的パートナーとしての地位を確立する狙いもあります。

 ボルソナロ大統領はブラジリアで、米国大使館臨時代理大使から「ブラジルが首脳会議に積極的に参加することを望んでいる」とバイデン大統領から招待されましたが即答せず、2日後に参加することを決定しました。ボルソナロ大統領は2020年の米国大統領選挙で、再選に挑戦していたトランプ前大統領への支持を宣言し、米国の選挙で詐欺があったとさえ主張していました。バイデン大統領との関係は薄く、参加を危ぶむ向きもありました。

 米国政府ラテンアメリカ問題顧問によると、米伯二国間では幅広い事柄について話し合われるとしています。「米国大統領はブラジルの選挙制度についてボルソナロ大統領と話し合うのか」という質問に顧問は「米国はブラジルの選挙制度を信頼している」と答えました
 
 同会議には、キューバベネズエラニカラグア、メキシコ、ホンジュラスグアテマラボリビアウルグアイの8カ国首脳が参加を見送りました。

足並みが揃わない米州首脳会議

 ブラジルのメディアによると、米国は6日、ロサンゼルスで開催される米州首脳会議にキューバベネズエラニカラグアを招待しなかったと発表しました。メキシコのオブラドール大統領はこれに抗議、同会議には出席しないと怒りを顕にしています。ボルソナロ大統領は出席の予定です。

 米国政府は、「招待しなかった国は民主主義憲章に違反している」と説明、「メキシコとの関係は前向きな関係を続けたい。出席を望んでいる」と話しています。一方、メキシコ大統領は先週、ボリビアグアテマラホンジュラスなどの政府首脳と懇談、招待されない国があれば首脳会議に出席しないと述べていました。

サル痘は男から男へ感染している

 ブラジルのメディア3日付によると、サル痘患者が多発している英国の健康安全庁がサル痘の詳細情報を発表しました。それによると、英国では感染者の86%がロンドンに住む20歳から49歳の男性で、女性は2人だけとしています。

 保健当局は、イギリスの183例のうち111例がゲイ、バイセクシュアル、男性とセックスをする男性であることに注目、「サル痘は性感染症ではないが、密接な接触を通じて伝染する」との見方をしています。このため、「新しい性的パートナーができた場合、体のどこかに新しい斑点、潰瘍、水疱がないか調べることを勧める」と助言しています。

 ロンドン地域公衆衛生担当者は「サル痘は誰にでも感染する可能性があるが、最近はロンドンに住む男性同士でセックスするゲイ、バイセクシュアルの人に多く見られる」と感染傾向を述べています。また英国性的健康協会、英国HIV協会、出会い系アプリ提供会社と協力して、ゲイ、バイセクシュアルに向けた性的健康情報を提供し、感染拡大を防止しています。

ブラジルのコロナ死者が減少

 ブラジルのメディアコンソーシアム2日の新型コロナ調査によると、この日新規感染者は41,714人で、感染者合計は31,099,823人になりました。また、新規死亡者は130人で、死亡者合計は666,978人でした。

 感染者の過去7日間の移動平均は32,983人で、2週間前と比べ38%の増加です。感染者は増加傾向にあります。一方、過去7日間の平均死亡者数は104人で、2週間前と比べ5%の減少です。死亡者は横ばいになってきました。

 なお、州別に死亡者を見ると、パラナ州は上昇、サンパウロ州ミナスジェライス州は横ばい、リオは減少しました。

コロンビアの鉱山で事故、救出を待つ14人

 ブラジルのメディアによると、コロンビアの鉱山で30日に爆発事故が起き、14人の鉱山労働者が閉じ込められました。救助活動を続ける国立鉱業庁によると、鉱夫が閉じ込められている場所まで残り30%というところまで降下し、2日には現場に到着できるとしています。

 救出活動は約50人の救助隊員で行われています。鉱夫が閉じ込められていると思われる場所は地下200メートルの地点で、救助隊はそこを目指して降下しています。救助隊の指揮者は「全員が無事であることを祈っているが、現場は高温、高圧、高濃度の一酸化炭素に満たされ、激しい爆発が起きたところ」と語り、生存の可能性は低いことを示唆しています。

 鉱山爆発事故の原因について国立鉱業庁は「今の段階では仮説だが、鉱山内のメタンが爆発、それによって火災、崩壊が起きたと思われる」と述べています。この鉱山は、2021年3月27日にも別の事故で作業が中断され、今年5月まで閉鎖されていました。それがどういうわけか鉱山は、「操業許可を持っていた」といいます。救助隊は「事故の処理が終った段階で、その疑問は明らかにする必要がある」と指摘しています。

 石油と鉱石はコロンビアの主要な輸出品ですが、昨年だけで、鉱山事故で148人の死者が出ています。

ブラジル人72%が銃の保持に反対

 「フォーリャ・デ・サンパウロ」紙が31日、ダタフォーリャ研究所が銃の保持について調査した結果を掲載しました。それによると、ブラジル人の10人に7人が「人々が銃を持てば、社会はより安全になる」という考えに否定的でした。また、大部分の回答者は「武器の保持を簡単にする必要はない」と答えています。

 同紙によると、「人々が暴力から身を守るために銃を持っていれば、より安全になるだろうか」という質問に回答者の72%が同意しないと答えました。同意しないと答えた人は女性の78%、黒人と明言した人の78%、低所得者の75%でした。

 一方、銃の保持に同意すると答えたのは26%で、男性の32%、北部地域の住民の32%、富裕層の37%が賛意を示しました。

 その他、回答者の71%が武器の保持を簡便化するのに反対し、28%が簡便化に賛成すると答えています。わからないは1%でした。ボルソナロ大統領の「武器の携帯が人々の安全性を高める」という声明には同意しない人が69%、同意するが28%でした。

 調査は25、26両日、国内181都市の2,556人に面接して行われました。