中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

ニカラグアで国際ラジオテレビ協会が抗議デモ

 ブラジルのメディアによると、国際ラジオテレビ協会(IAB)は30日、ニカラグアのジャーナリストと連帯して、報道機関への弾圧を続けるダニエル・オルテガ独裁政権に抗議するデモを行いました。同政権はほとんどの独立した新聞を閉鎖し、現在、国内には政府と連携する2つのテレビ局が残っているだけです。

 ニカラグアでは2018年以降、厳しい弾圧のため、大規模なデモは行われなくなりました。この日のデモは、今年に入ってジャーナリストや独立メディアへの迫害が激化したという事実を世界に発信するために行われました。オルテガ政権は米国と欧州連合から厳しい制裁を受けていますが、対立候補を弾圧することで4期連続で大統領に当選しています。

 弾圧を受け、今は米国で生活しているニカラグアのジャーナリストは、「民主主義国はオルテガ政権を孤立させるために協力する必要がある。2018年の反オルテガ大統領抗議デモでは83人が死亡するなど、人道に対する罪を数多く犯している」と指摘しています。

コロンビア大統領選、6月に決選投票

 ブラジルのメディアによると、コロンビアの大統領選挙が29日に行われ、グスタボ・ペトロ候補(62歳)が40.4%、ロドルフォ・エルナンデス候補(77歳)が27.9%で過半数の票獲得者がいなかったため、6月19日に決選投票が行われます。

 第1回目に40.4%を獲得したペトロ氏は元ゲリラで左派の候補、ボゴタ市の上院議員兼市長を2回務めています。これまで大統領選挙に2回出馬しましたがいずれも敗退、今回は3回目の挑戦です。

 対抗馬のエルナンデス氏は中道でポピュリストと言われるビジネスマンです。地元のマスコミからは「トランプ・トランプ」と呼ばれています。

 コロンビアでは左派の大統領は誕生しづらいと言われています。今回は左派候補の支持率が高く、コロンビアで初の左派政権が誕生する可能性もあります。

メキシコでもサル痘患者確認

 ブラジルメディアによると、メキシコ保健当局は28日、メキシコシティで治療を受けている米国に住む50代の男性が同国で最初のサル痘患者だと確認しました。男性は、オランダで感染した可能性が高いということです。ラテンアメリカでは27日、アルゼンチンで2例が確認されています。

 アルゼンチンで最初に確認されたのはスペインから戻った40歳の男性で、2例目はブエノスアイレス州を訪れているヨーロッパの居住者で、最初に確認された患者とは関係がありません。

 疫学者は「サル痘は短時間でブラジルにも到達する可能性がある」と警告しています。サル痘は、感染した動物が人間に感染するウイルスによって引き起こされる感染症です。感染が人から人へ伝染する可能性はありますが、それは稀であると考えられています。

 サル痘は、1970年にコンゴ民主共和国で最初に人間で確認され、現在、アフリカの12カ国で風土病と見なされています。これまでのところ、非流行地域で確認された症例は一般的に良性であり、死亡例は報告されていません。

 ヨーロッパでのサル痘の震源地はスペインだったことが証明されており、27日の時点で98人の患者が確認されています。また、英国106人、ポルトガル74人、ドイツ、フランス、イタリア、米国、カナダ、オーストラリアなどでも感染者が現れています。

世界最年長は112歳のベネズエラ人

 ブラジルのメディアによると、ギネス世界記録で世界最年長とされているベネズエラ人のフアン・ビセンテ・モラさんが27日、113歳になりました。1909年1月、スペイン生まれのガルシアさんが112歳341日で亡くなったことで、モラさんが世界一の長寿者になっていました。

 ギネスのプレスリリースによると、モラさんには41人の孫、18人のひ孫、12人の玄孫(やしゃご)がいます。健康の源泉は、毎日嗜む強いブランデーの一杯とか。彼を診察している医師は「わずかに上昇した血圧と加齢に伴う聴覚障害を除けば、いたって健康で、薬の服用もしていない」と語っています。

ボリビアが天然ガスの値上げを要求

 ブラジルのメディアによると、ボリビア政府は25日、ペトロブラスに供給する天然ガスの値上げ交渉を要求してきました。ボリビア政府は「今の価格では損するだけだ」と述べています。現在ペトロブラスは100万BTUあたり6〜7米ドルを支払っていますが、ブラジル側は値上げ交渉に後ろ向きです。

 ボリビア政府は「年間約7000万米ドルの損失を被っている」として値上げを求めています。契約によりボリビアは、1日あたり最大2,000万立方メートルをブラジルに出荷する必要がありますが、ここ数週間で供給量が30%減少しました。この減少はアルゼンチンへの輸出増のためとブラジルは見ています。

 ボリビアはアルゼンチンに1日あたり1400万立方メートルを100万BTUあたり12ドルで供給する約束をしており、ブラジルはこの供給量が1800万立方メートルにまで増量される可能性があると見ています。

電話使用の詐欺師3人逮捕=サンパウロ=

 ブラジルのメディア24日付によると、サンパウロ市民警察は銀行員を装って詐欺を働いていた3人(22歳と28歳の男性2人と32歳の女性1人)を逮捕しました。詐欺師は、口座を持っている顧客に銀行員を装い電話をかけ、言葉巧みにカードのパスワードや個人情報を聞き出し偽造身分証明書を作成、顧客になりすまし物品を購入していました。

 警察は、詐欺師3人が滞在していたサンパウロ市内の家から50枚の偽造身分証明書を押収しました。そのうち36枚は名前が異なりましたが、写真は詐欺師の同じ写真が貼られていました。

 被害者の一人は、ステレオとプリンターを購入され、3,500レアルの被害を受けました。このほか詐欺師たちは電話機器を使用して口座番号とパスワードを入手、顧客の口座から現金を抜き取ったりしていました。警察の調べによると、詐欺師3人は、ソーシャルメディアで偽造文書を250レアルで販売もしていました。

ドーピングでバレーボール選手が有罪=ブラジル=

 ブラジルのメディア23日付によると、オスタリンの使用で起訴されていたバレーボールのタンダラ・カイシェタ選手(33歳)の審理を続けていたアンチドーピング裁判所は、4年間の出場停止を宣告しました。判決に不服の場合、選手はスイスのスポーツ仲裁裁判所に上訴することができます。

 タンダラ選手は「私がしなかったことで有罪判決を宣告され、これには納得できない。全体会議での裁きを要請し、無実を証明するために戦う」とコメントしました。

 ブラジルチームは、2012年のロンドンオリンピックでオリンピックチャンピオン、2014年のイタリアワールドカップで銅メダルを獲得しています。それにはタンダラ選手も出場し活躍しました。東京オリンピックには、ドーピングの事前調査で陽性になり、予防的に出場停止になっていました。

 タンダラ選手が使用したと言われるオスタリンは、新陳代謝を調節し、筋肉量の増加を助けるとされています。ブラジルドーピング管理局は東京オリンピック出場選手を対象に2021年7月、リオで調査を行い、タンダラ選手が陽性反応を示していました。

アルゼンチンでサル痘患者発見

 ブラジルのメディアによると、アルゼンチン保健省は22日、国内でサル痘の疑いのある最初の症例が出た、と発表しました。同省によると、ブエノスアイレスの住民が「サル痘に似た」症状で保健サービスに連絡してきたということです。

 サル痘の疑いのある住民は、同感染症が発生がしているスペインへの旅行から戻ったばかりでした。スペインの首都マドリードでは、サル痘発生の疑いでサウナが禁止されたりしています。

 サル痘は、サル痘ウイルス に感染して起きる人獣共通の感染症で、天然痘よりも軽い病気ですが、症状によっては死亡することもあると言われます。感染すると手足への発疹、頭痛、体の痛みといった症状が現れます。西アフリカ、中央アフリカの一部で見られる軽度の風土病(感染症)とされ、現在、欧米で感染者が相次いで確認されています。

 アルゼンチンの患者は全身の発疹と発熱が見られ、サル痘特有の症状ということです。同保健省は、「患者は隔離され、治療により経過は良好」としています。

アルゼンチンの人口は720万人増加

 ブラジルのメディアによると、アルゼンチンでは新型コロナ流行で遅れていた国勢調査が18、19両日実施されました。詳細なデータは3カ月以内に発表されます。国勢調査のため18日は休日になりました。

 これまでに判った主なところは、人口は4700万人以上、2010年から2022年までに720万人増加しています。国民の52.83%が男性、47.05%が女性です。性別を意識していない人が0.12%(約57,000人)いました。アルゼンチンの歴史上国勢調査で性同一性も調査されたのは初めてのことです。

 アルゼンチンには先住民虐殺の歴史があり、1世紀遅れて虐殺の裁判が開始される予定です。アルゼンチン人のルーツについてアルベルト・フェルナンデス大統領が「ヨーロッパから来た」と説明し、物議を醸したこともあります。日本外務省はネットで「民族は欧州系(スペイン、イタリア)97%、先住民系3%」と紹介しています。

「おやすみなさい、シンデレラ詐欺」犯を逮捕=サンパウロ=

 ブラジルのメディア19日付によると、サンパウロ警察は州内の高齢者を騙し、金品を強奪していた43歳の女性を逮捕しました。同時に、彼女の元夫と彼女の24歳の娘も、被害者の口座を操作して金を奪った疑いで逮捕しました。

 今回の犯罪は、犯人が高齢者を騙す手口から「おやすみなさい、シンデレラ詐欺」と呼ばれていました。捕まった女性はソーシャルネットワークやインターネットを介して高齢者との交際に関心を持っているかのように装い、近づきました。頃合いを見て高齢者の家を訪問、世間話をしながら高齢者に薬を飲ませ、寝入ったところで金品を奪うという手口でした。

 犯人はサンパウロ市のほか州内の3市で犯行を重ねていました。サンパウロ市内の69歳になる被害者には、ソーシャルメディアでミケーレと自己紹介し、デートをしたいと近寄ってきました。自宅を訪問した女とは「娘、孫などについて会話」をし、いつの間にか眠り、「目が覚めたときはベッドの下にいた」と証言しています。

 被害者が眠らされている間に女はクレジットカードを盗み、ハイパーマーケットでストーブを購入したりしていました。