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闘牛は文化か、動物虐待かで論争=メキシコ=

 ブラジルのメディアによると、メキシコシティにある世界最大の闘牛場が10日から、ショーの開催が中止されています。5月下旬、裁判所が動物愛護の精神に反するとして、闘牛ショーを禁止する命令を出したためです。裁判所は「闘牛は環境を健全に保つ権利を侵害し、それは人権侵害につながる」と説明しています。

 これに対し闘牛場関係の弁護士は、「公演禁止の決定はまだ最終的なものではない」と述べ、今後開催される可能性を示唆しています。裁判所は「最終決定が下されるまで、闘牛場への扉は閉鎖する」と命令し、継続か、中止かは明らかにしていません。

 メキシコでは2019年以来、闘牛を禁止するか許可するかについて議論が続いてます。闘牛支持派は「歴史的な文化遺産」と主張し、反対派は「雄牛がいじめられて死ぬ」と動物愛護を強調します。

 メキシコシティ議会でも議論が続けられていますが、闘牛反対派がやや有利なようです。2021年12月の最初の投票では、闘牛終了賛成が過半数を占めました。現在は賛成、反対両派がロビー活動を活発に行なっているところです。ただ、最終決定は議会ではなく裁判所が行う予定です。