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ブラジル最高裁、各州の優先順位変更を停止

 ブラジルのメディアによると、連邦最高裁判所は3日、新型コロナの2回目の投与が遅れるようなことがあると、行政上の不利益が生じたとして担当公務員が罰せられる可能性を指摘しました。18州の市町村は、ワクチン不足を理由に、2回目の投与を中断しています。

  最高裁のリカルド・レヴァンドフスキ判事は、州政府に優先グループの予防接種順序の変更を許可したリオデジャネイロ裁判所の決定を一時停止する声明を発表しました。技術的および科学的基準に従っている限り、優先グループの順序を変更できますが、リカルド判事は「変更が2回目の投与に影響を与える場合、責任者は罰せられる可能性がある」と述べています.

 保健省は3月、州や市町村へのガイドラインを変更し、「2回目の接種のために保管されたワクチンを1回目の接種に使用できる」と変更しました。しかし、18州の都市は、ワクチン不足で2回目のワクチン接種を中止しています。保健省によると、ワクチンの配布は製造会社に一任され、「入手出来るかどうかは会社に依存している」と公務員の采配では無いとしています。

 最高裁判事は「ワクチンには使用期限があり、有効期限が過ぎて廃棄されるようなことは許されない」と述べています。

ブラジルの予防接種済みは15%

 ブラジルのメディアコンソーシアム2日の新型コロナ状況調査によると、累積死亡者が407,775人になり、累積感染者は14,753,983人を記録しました。

 新しい死亡者は1,210人で、過去7日間の死亡者の移動平均は2,407人になりました。一方、新規感染者は1日あたり59,224人でした。

 この日のリオデジャネイロ州の死者は横ばいで、サンパウロ州は減少しました。一方、予防接種は2日現在、人口の15.05%(31,875,681人)に接種されました。

サッカーのマラドーナ選手の死因に疑念

 ブラジルのメディアによると、昨年11月に死亡したサッカーのスターだったマラドーナ選手の死亡過程に疑問があるとしてアルゼンチン司法省の要請で、医療委員会が詳しい調査を行なっていましたが、その報告書が30日、提出されました。報告書には、医療スタッフが治療を放棄したことで死亡した可能性を指摘しています。

 この調査は、サポーターが裁判所に、十分な治療を行わなかったとして医療スタッフ7人を告発したことで実施されました。報告書は70ページに及ぶもので、報告書を分析した医療専門家は「マラドーナ選手は自宅で治療を受けており、保健センターで適切な治療を受けていれば、生き残る可能性が高かった」と話しています。

 告発されている医療スタッフの1人は「マラドーナ選手は診療所で治療を続けることを拒否し、保健センターに連れて行かれることも拒否した」と述べています。これに対し調査スタッフは「脳内の血餅を取り除くために行われた頭部手術後のマラドーナ選手は、自分の意思表示を出来る状態ではなかった」と反論しています。

 マラドーナ選手の死が裁判で、医療放棄で死亡したことが証明された場合、医療責任者は最大15年の懲役になる可能性があります。

ブラジルのコロナ死、高止まりの傾向

 ブラジルのメディアコンソーシアム29日の新型コロナ現状調査によると、累積死亡者が401,417人と40万人を突破しました。1日あたり平均死亡者は2,523人で、高止まりの傾向にあります。

 一方、29日の死亡者の増加はペルナンブコ州のみで、サンパウロ、パラナ、リオデジャネイロ3州は横ばいでした。

 累積感染者は14,592,886人で、過去7日間の1日あたり新規感染者移動平均は60,107人で、平均で見ると感染者は若干の減少が見られます。また、予防接種は29日現在、初回投与者は14.74%(31,208,111人)まで進みました。

ブラジルの累積死亡者、40万人目前

 ブラジルのメディアコンソーシアム28日のコロナウイルスパンデミック状況調査によると、新規死亡者が3,019人増加、累積死亡者が40万人目前になりました。

 累積死亡者は398,343人、累積感染者は14,523,807人を記録しています。過去7日間の移動平均死亡者数は2,379人で、 14日前の平均と比較し19%減少しました。一方、感染者の過去7日間の移動平均は1日あたり57,384人で、2週間前と比べ15%減でした。死亡者、感染者ともに減少傾向を示しています。

 この日に死亡者が多かった州はアクレ州のみで、ミナスジェライス州リオデジャネイロ州は横ばい、パラナ州サンパウロ州は減少しました。

 予防接種は28日現在、人口の14.52%(30,740,811人)が初回の投与を済ませ、2回の投与を済ませた人も14,621,694人(人口の6.61%)にのぼります。

ブラジル大統領が雇用契約の一時停止に署名

 ブラジルメディアによると、ボルソナロ大統領は27日、新型コロナの流行で雇用と所得の維持のための緊急政策を再開し、雇用主が労働者の賃金の削減、労働時間短縮、雇用契約の一時停止どを許可する暫定措置に署名しました。

 署名については大統領府が発表しました。政府によると、同政策に必要な費用として100億レアルの特別融資を準備しています。公開資料によると、賃金の削減、雇用の一時停止は最大120日間延長される場合があります。期間中、雇用主は従業員に労働時間と賃金の削減を行え、賃金が下がった労働者は減額分の一部を政府に要求できます。

 緊急政策の再開はパウロ・ゲデス経済大臣がことあるごとに触れていましたが、必要な資金100億レアルの支出には国会の承認が必要でした。同政策は28日から実施になります。

 昨年の同政策は2回延長され、9カ月間(12月31日まで)続きました。今回は28日から開始され、最大120日間の延長が可能です。経済省はこの政策で、400万人の労働者が恩恵を受けると見込んでいます。

裁判所のCPI報告予定者就任停止に反発

 ブラジルのメディアによると、政府のコロナ対策の是非を審議する「コロナ禍議会調査委員会(CPI)」が27日に設置されますが、政府のこれまでの政策を調査し同委員会への報告者にレナン・カルヘイロス上院議員の任命が予定されています。しかし、第2連邦裁判所が26日、同上院議員の任命を一時停止する仮差し止め命令(暫定決定)を出しました。

 仮差し止めは、ボルソナロ大統領の擁護者であるカルラ・ザンベリ議員が提訴したものです。同議員は「レナン上議の任命は行政を歪め、同氏は政府を悪と決めつけており、そうした報告者の任命は公平性を損なう」と主張しています。政府は、CPIへの報告者が誰になるか、重大な関心を示していました。

 一連の動きに報告予定者のレナン上議はソーシャルネットワークで、「この決定は上院への過度な干渉だ。CPIは立法府による憲法調査である。ブラジルの歴史上、このような奇妙な決定の前例はない」と述べ、「政府は何を恐れているのか?」と反発しています。

ブラジル市民院が連邦政府を告発

 ブラジルのメディアによると、ブラジル市民院は25日、ボルソナロ政権の新型コロナに関する告発状をポータルサイト「UOL」で公開しました。告発状には「予防キャンペーンを推進しなかった」「科学的証拠のない早期治療を推進した」「無対策のため変異株の震源地になった」など23件の誤った政策を指摘、批判しています。

 この告発状はコロナ禍議会調査委員会(CPI)の調査資料として作成されたもので、同委員会の協力要請で収集した情報が記載されています。特にワクチン購入における政府の過失、伝染を防ぐための具体策の欠如などが強調されています。

 資料は25日にCPI日送付済みです。こうした情報を元に上院のCPIは27日に開かれます。

中米アンギラがロックダウン

 ブラジルのメディアによると、カリブ海にあるイギリス領アンギラ自治政府は22日、新型コロナ感染者30人(人口は15,000人)を確認、隔離するとともに、2週間のロックダウンを発出しました。保健当局は、感染経路の調査を始めています。

 自治政府は、感染者と接触した人全員を隔離、検査を行っています。同島当局によると、重要な仕事に就いている人の外出は認められていますが、不要不急なサービスや集会は14日間禁止されています。また、旅行者が利用する港と空港も閉鎖されましたが、島外への出発は可能です。

 同政府によると、コロナの流行が始まってから、感染者は30人しか確認していません。ワクチン接種も成人人口のほぼ半数が1回目を終えています。

 アンギラサンゴ礁からなる平坦な地形の島で、周囲には美しいビーチが多数あるリゾート地です。島周辺のスクラブ島、ドッグ島、プリックリー・ペア諸島、シール島、サンデー島、アンギリータ島、ソンブレロ島などもアンギラに所属しています。

ブラジルのワクチン接種が13.20%まで進む

 ブラジルのメディアコンソーシアム22日の新型コロナ・パンデミック調査によると、1日の新規死亡者が2,070人を記録し、これまでの累積者者は383,757人になりました。また、新規感染者は50,023人で、累積感染者は14,172,139人に積み上がりました。

 過去7日間の移動平均死亡者数は2,543人で、 14日前の平均と比べ13%減少しました。また、過去7日間の新規感染者移動平均は59,149人で、14日前と比べ11%減でした。死亡者、感染者ともに減少傾向を示していますが、両方とも絶対数は少ないとは言えません。

 注目州の死亡者を見てみると、リオデジャネイロ州は横ばい、サンパウロ州パラナ州アマゾナス州などは減少しています。

 予防接種は22日現在、第1回目の接種が人口の13.20%(11,338,366人)まで進み、2回目の接種も5.35%(11,338,366人)になりました。