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トヨタが340人解雇

 ブラジル・トヨタは、サンパウロ州ソロカバ市の工場労働者340人の解雇に踏切ます。大量解雇は、アルゼンチン向け輸出が落ち込んでいるのが原因です。アルゼンチンは経済危機に直面、新車需要が大きく後退、その影響はトヨタだけでなく、他の自動車メーカー各社にも及んでいます。

 29日付伯字紙によると、トヨタのソロカバ工場は昨年10月に740人を増員、3交代制で生産を行ってきました。今回は740人の半数近くを解雇する予定です。トヨタは、これから希望退職者を募り、応募者が目標に達しない場合は、3交代制の開始にあたって一時的に雇用した740人の一部を解雇するとしています。

 ソロカバ工場の従業員は2800人、2交代制から3交代制に生産態勢を強化したことで、同工場の年産能力は10万8000台から16万台に向上しました。今年は4月末までに5万台を生産し、その30%の大部分がアルゼンチン向けに輸出されました。

 トヨタはコスト削減のため、サンベルナルド・ド・カンポ、インダイアツーバ、ポルト・フェリス(いずれもサンパウロ州)各工場の福利厚生などのカットを、従業員に提案しています。ソロカバ金属労組のレアンドロソアレス会長は「トヨタの提案は、実質的な賃上げを21年まで凍結するほか、従業員に対する利益配分の削減、医療保険加入の削減といったものだ。労働者は会社の状況を理解しているが、給与を諦め、生活費の増加は認めたくない」と話しています。