ブラジルのメディアによると、ブラジル・トヨタは5日、サンパウロABC地区のサンベルナルド・ド・カンポ工場を閉鎖し、サンパウロ州のインダイアツーバ、ポルトフェリース、ソロカバ各工場へ移転すると発表しました。移動は12月から徐々に行われ、2023年11月に完了する予定です。
同トヨタ工場は1962年に開設され、同社が日本国外に設けた最初の工場でした。工場には約550人の従業員が働き、エティオス、ヤリス、カローラ各モデルに部品を供給する他、カムリセダンのエンジンを組み立てていました。トヨタは「工場を閉鎖しても、従業員の雇用は100%維持する」と話しています。
今回の工場閉鎖についてトヨタは「生産部門間を合理化することで、ブラジル市場での競争力を高め、ブラジルでのビジネスを持続していくため」と説明しています。トヨタは同工場を閉鎖する一方、カローラセダンを生産するインダイアツーバ工場に5000万レアルの新規投資を行い、生産力を強化します。
サンパウロ州内では2021年、自動車全体の販売が8%減少し、トップの座をミナスジェライス州に明け渡しました。サンパウロ工場の閉鎖は、これが影響していると思われます。トヨタ工場の閉鎖でサンパウロABC地区ではフォードなどの工場を含め、3工場が閉鎖されることになります。