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アルゼンチンで反政府デモが吹き荒れる

 アルゼンチン上院は12日、ミレイ大統領による経済・国家改革の鍵となる法案の審議を開始、議会外では、法案の変更に抗議活動のデモが吹き荒れました。ブラジルのメディアによると、警察はデモ参加者1人を逮捕しデモ参加者にガス弾を投げつけ、参加者は石や火炎瓶を投げて応戦しラジオ局の車両を横転させ車両に放火する騒ぎになりました。

 法案に対して上院では意見がはほぼ真っ二つに分かれており、議論は長引きそうです。法案は政府が一部修正を加えたことで、4月末に下院を通過しました。ミレイ政権は両院で少数派のため議員団の説得に時間を費やしています。地方議員と報道機関は上院議員の意見は36対36(上院議員は72人)の半々と見ています。

 しかし、上院議長は副大統領が務めており、最終的には議長が賛成票を投じ、上院で承認されるとも言われています。この法案で問題になっているのは行政、経済、財政、エネルギーなどの一部分野で特別な権限を付与するよう1年間の国家非常事態宣言を発令しようとしていることにあります。

 現地新聞によると、主要テーマの一つは国家の規制緩和、つまり政府系企業の民営化、大統領に特別な権限を付与、投資の促進などです。下院議会で政府は15の行政機関の廃止を断念しすることで法案を通過させました。しかし、ミレイ政権は労働法改正も目指しており。強制的な「組合税」の廃止は断念しましたが、企業が道路封鎖や施設占拠などの抗議活動に参加した場合、従業員を解雇できる規定はまだ残しています。