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ハイチで住民への武力攻撃、虐殺が激化

 ブラジルのメディアによると、暴力の問題が深刻化しているハイチの人権擁護全国ネットワークは24日、ハイチでの住民に対する武力攻撃や虐殺が激化しているとする報告書を発表しました。地元紙「ガゼッタ ハイチ」は、4月19日以降、犯罪者の衝突で少なくとも100人が死亡している、と報じています。また、ロイター通信は24日、犯罪グループのメンバーと思われる10人が住民に殺害されたとしています。

 ハイチは暴力の波と強い制度的不安定さの中にあり、2021年にジョベネル・モイーズ大統領が暗殺された後、治安はさらに悪化し、暴力集団が国土の多くを掌握するようになっています。

 人権擁護ネットワークは、100人の死者が出たのは、首都ポルトープランスから約30キロ離れたカバレットの町で起きた暴力集団の抗争によるとしています。「ガゼッタ ハイチ」紙によると、放火された家の中に数人が閉じ込められ、他の人は撃たれたと報じました。

 ハイチ警察は、ポルトープランスでは24日、暴動が相次ぎ、暴力団と思われる10人が地元住民にリンチされ、遺体を燃やされたと確認しました。警察の広報官は「住民の怒りは理解できるが、しかし、我々が求める協力は、暴力なしに行われなければならない」と述べています。

 ハイチ政府と国連は、ハイチ警察が同国を支配する暴力集団と戦うのを支援するため、国際部隊の派遣を要請しています。