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ブラジルで金融詐欺、945人が被害

 ブラジルのメディア12日付によると、映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」で野心的な株式ブローカーを演じたレオナルド・ディカプリオを真似たポルトガルの会社が、ブラジルで金融詐欺を働き、少なくとも945人が詐欺の被害に遭っていました。

 事件は市民警察の調べで判明しました。手口は海外の証券取引所に上場している外国企業株式への投資を勧誘するもので、詐欺の勧誘員は顧客獲得のために1日200件の電話をかけることを要求されていました。勧誘員は敬語を使い、スーツにネクタイ姿で、本当に金融市場の人間であるかのように装っていました。

 勧誘する相手は、株式市場についてよく知らないブラジル人を狙い撃ちにし、勧誘された人は自分が本当に証券取引所に投資していると思い込むように仕組まれていました。投資者は詐欺に遭っているとも知らず、利益を上げていると信じ切っていましたが、集めた資金を詐欺一味は暗号通貨に変換し、ポルトガルなどにいるグループの幹部に送っていました。

 暫く経つと詐欺師たちは株式市場で何度も損失を出す報告を始め、この損失を取り戻すには追加投資が必要と働きかけてきました。最低投資額は200米ドル、1,000レアル強だったそうですが、追加追加で100万レアル以上を失った被害者もいました。その人はメディアの取材に、「貯金、個人年金、借り入れをしてまでつぎ込み破産した」と話しています。

 警察は、ブラジルで犯罪に関係した全員の引渡しを関係国に要求するとしています。