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ペルー議会、カスティーヨ大統領を解任

 ブラジルのメディアによると、ペルーのペドロ・カスティーヨ大統領は7日、同国議会を解散しようとしましたが、議会が反発、大統領の解任決議を採決、解任しました。その後、大統領は「クーデターを起こした」として逮捕されました。最高裁判所は後任にボルアルテ副大統領を指名、議会も承認しました。

 カスティーヨ大統領は2021年、わずかな票差でアルベルト・フジモリ元大統領の娘ケイコ・フジモリ氏を破り、大統領の座につきました。敗れたフジモリ氏は選挙結果を問うために選挙裁判所に訴え、カスティーヨ支持者とフジモリ支持者双方がデモが起こす騒ぎになりました。フジモリ氏が選挙の結果を受け入れたのは、決選投票が終わってから1カ月以上経ってからでした。

 カスティーヨ大統領は選挙期間中に、「議員が自分の計画を受け入れなければ、議会を閉鎖する」と脅すような発言をして物議を醸し、議会の反感を買っていました。野党が多数を占める議会では、就任後2カ月で首相を始め閣僚全員が辞任するという最初の政権危機が訪れました。

 そして2021年12月、カスティーヨ大統領は最初の弾劾請求案を上程されましたが、この時は解任は拒否されました。これまでに3回弾劾請求が出され、7日の3回目で、政権を維持するための「道徳的能力がなく、政権の方向性が欠如している」と非難され。解任が決議されました。

 大統領は非常事態を宣言し、新たな政府を発足させると対抗策を講じようとしましたが、軍隊も大統領を支持せず、最高裁判所もカスティーヨ大統領の動きをクーデターと断じ、副大統領を新大統領に指名、議会も承認しました。ペルー検察庁は、「議会閉鎖は憲法違反で、法的措置を講じる」と発表し、カスティーヨ大統領が大統領府を出たところでペルー警察が逮捕しました。

 大統領に就任するボルアルテ副大統領は「カスティーヨ大統領が議会閉鎖という憲法違反を実行する決定をしたことを容認しない。これはクーデターであり、ペルー社会が法律を厳守して乗り越えなければならない政治的・制度的危機を悪化させるものだ」とツイッターで表明しています。

 ディナ・ボルアルテ氏は、女性初のペルー大統領です。