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観光名所「イグアスの滝」を襲った濁流

 ブラジルのメディアによると、1997年に計測を開始したパラナエンセ・エネルギー社が13日、観光地イグアスの滝が毎秒1650万リットルの流量を記録し、過去25年間で2番目の記録と発表しました。最も量が多かったのは2014年で、滝の流量は1秒間に4700万リットル以上でした。通常流量は150万リットルです。

 イグアスの滝の流量が増えたのは、10日以降、パラナ州、特に西部・南西部で降雨が続き、今回の記録的な流量となりました。16日も、毎秒660万リットルと、平均を上回る流量が続いています。イグアスの滝周辺を撮影した写真を見ると、いつもはわずかしか流れていない滝を見るための歩道橋周辺にも濁流が押し寄せ、渦巻き、恐ろしいほどの光景になっています。

 アルゼンチン側の滝では滝中心部の滝壺「悪魔の喉笛」にアクセスするための歩道橋が大雨で一部破壊し、ブラジル側では歩道橋が閉鎖されました。が、16日には再開され、観光客が高波の中をこわごわ訪れています。

 筆者がイグアスの滝を訪れたときは干ばつで、「悪魔の喉笛」と呼ばれる滝中心部で、大量の水が落下しているだけでした。それと比べ、今回の光景は同じ場所とは思えないほどです。イグアス国立公園には275の滝があり、滝の8割はアルゼンチン側、残りの2割がブラジル側にあります。