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新党の結成交渉が難航か

 ブラジルのメディアによると、民主党(DEM)と社会自由党(PSL)の指導者は15日、合併が認められた新党ユニオン・ブラジル(União Brasil ブラジル団結)の結成交渉を開始しました。両党党首は、交渉は3月まで続き、中心的な「政治力」をどう築くかが議題としています。

 União Brasilを結成した主要な目的は、次期大統領選で支持候補を当選させることにあり、交渉を開始した各党代表は、誰を候補にするかが重要と指摘しています。しかし、新党内部にはUnião Brasilの結成に懐疑的な党員もおり、反対派は「党の連合は党内部の組織力が弱体化し、大統領に選出されても党員は多くの犠牲を強いられる」と反発しています。

 新党ができても地域の支援が得られるかどうかと疑問を持つ党員もいます。2024年の選挙では市町村レベルで単一の候補者しか出せなくなり、大統領選は別でも地域では支持候補が複数になり、党内が細分化がするとの指摘もあります。しかし、新党結成の交渉をする代表者は、「政治勢力の中心になることと、政党間の無駄な競争をなくすのが主眼。民主的勢力の維持が必要」と述べています。

 大きな問題は新党ではどの大統領候補を支持するかです。現在のところ、サンパウロ州のドリア知事、テベット上院議員の支持に傾いていますが、これからUnião Brasilは両候補の所属政党と候補者調整をすることになります。ドリア知事は調整を了承しているとされますが、União Brasilは結論を出すのはまだ早いとしています。ドリア知事の所属するブラジル社会民主党(PSDB)は各政党に提携を持ちかけ、多数派工作を行っています。