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授業再開でも登校できない生徒が15%

 ブラジルのメディア7日付けによると、サンパウロ州のコロナ規制が緩和、多くの公立学校で対面授業が始まりましたが、中にはパンデミックで仕事をなくした両親の手助けでアルバイトを始め、学校に戻れな生徒も少なくありません。そうした生徒が15%ほどいます。

 高校3年の女性徒は、「父母は自営業でしたが、パンデミックでモノが売れず資金の手当てが出来ず廃業した。そのため両親を助けるために私が働き始め、勉強を続けることが出来なくなった」と話しています。

 高校3年生の男子生徒はアサイーを売る店でフルタイムで働いています。午前9時に家を出て、午後9時に戻ってくる日常ですが、彼は「普通の学生と同じように学校で勉強をしたい」と訴えています。しかし彼は3人兄弟の長男で、家族の収入源であった美容師の母親がパンデミックの間失業、それを補うために(彼の収入は母親の70%を補填)働きに出たのです。「学校にきたくてもいけない」と現状を語ります。

 男子生徒は、サンパウロ政府の支援制度を利用しようとしましたが、優先グループではないと支援を受けられませんでした。同プログラムは貧困および極度の貧困家庭向けの奨学金で、1学年あたり最大 1,000レアルの支援が受けられます。教育省は「学校中退を防ぐために可能な限りのことをしている」と主張しています。

 国務省によると、生徒の85%は学校に登校しました。登校できない生徒が15%もいることが問題視されています。