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貧困層最大360万人増加と予想=世界銀行=

 世界銀行は、ブラジルの貧困層が2017年末までに250万~360万人増加するとの調査結果を発表しました。現在ブラジルが直面している不況が、貧困と不平等の進行を早め、政府の貧困層支援策「ボルサ・ファミリア」などの貧困回避策に深刻な打撃を与えると警告しています。

 国内メディアによると、世銀の調査結果のように360万人の貧困層が増加すれば、月々140レアル未満で暮らす極度の貧困状態にある人の数はブラジル全体で2960万人に達します。世銀は新たな貧困層の増加は主に都市部で起こると指摘、ブラジル南東部(エスピリト・サント、リオ、ミナス・ジェライス、サンパウロの4州)の都市部に住む白人の若年成人が貧困に陥るとしています。彼らは何らかの資格を持ち、サービス業界で働いていた人とも指摘しています。

 これを回避するために連邦政府は17年のボルサ・ファミリアの予算を304億レアル(約1兆640億円)に増額する必要があったと指摘しました。実際は、「ボルサ・ファミリア」の2017年の予算は298億レアルで、世銀が必要と主張する額よりも6億レアル(約210億円)少ない予算になっています。