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ボルソナロ大統領がワクチン接種証明書提示案を拒否

 ブラジルのメディアによると、ボルソナロ大統領は7日、科学者や国家衛生監督庁(Anvisa)がブラジルに入国するための要件としているワクチンパスポートの必要性を拒否し、政府は未接種の旅行者は5日間隔離すると決定しました。

 大統領は拒否理由を、「ブラジルの空域を閉鎖することになる」と述べています。大統領の主張に関わらず、政府はまだ正式な発表をせず、ワクチンパスポートについて何の措置も講じていません。6日、Anvisaと外務省など5省庁で会議を開き、ワクチンパスポート問題を議論する予定でした。しかし、会議は理由の説明なしに土壇場でキャンセルされています。

 この後、ケイロガ保健相が「政府は旅行者のワクチンパスポート提示を求めないが、72時間前までに実施されたPCRテストが陰性である事が必要。ワクチン未接種の場合は5日間隔離する」と発表しました。

 Anvisaは、オミクロン変異体が発見されてから感染者増を防ぐため、ブラジル市民院に「入国希望者により厳格な措置を行う」ことを勧告していました。Anvisaの市民院への提案は、「アンゴラマラウイモザンビークザンビアからのフライト一時停止とワクチン接種証明書の提示」という水際検査強化策でした。

 Anvisaは、オミクロン変異体の影響を最も受けているアフリカ南部の国々はワクチン接種率が低く、その国からの入国者に予防接種の証拠を要求しなければ、ウイルスを持っている可能性のある予防接種を受けていない人々の入国が簡単にできると警告、エチオピアカタールアラブ首長国連邦、トルコを通過してブラジルへ到着するルートの乗客も注意が必要としています。