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高騰するブラジルの牛肉価格

 地元メディア25日付の報道によると、牛肉価格が高騰しています。サンパウロでは、肉のキロ価格が25日、史上最高の15.79レアル(約407円)に達しました。価格の高騰は中国、ロシア、アラブ首長国連邦への輸出の増加と長引く干ばつにより牧草の成長が悪く、牛が肥育していないため、とされています。

 特に赤身肉が急騰しており、販売されているステーキ用の肉も小さくなりました。 専門家は、「アルゼンチン、パラグアイウルグアイといった牛肉輸出国は、地理的条件、政治的問題を抱えて輸出が減少、輸出国のオーストラリアも干ばつで生産の80%を輸出に回し輸出余力をなくしている。欧州連合の肉は価格が高く、結局、各消費国はブラジルに頼らざるを得ない。ブラジルは中東の石油のように、牛肉が大きな輸出資源になっている」と指摘しています。

 輸出の関係者は、「生産者が価格の上昇を期待して、牛の屠殺を控える投機的な動きをしている。それに加え2019年は、長い干ばつが続き牧草が乾燥したままで、牛は肥育しなかった。これが市場価格をさらに押し上げる結果になっている」と」と語っています。

 年末は、お祝いのパーティーが続くこともあり、「生産者は価格上昇を見込み、出荷を手控えている」と指摘する向きもあります。これまでも年末には10%程度の上昇が見られましたが、今年は9月から11月までですでに20%も上昇しています。肉屋の経営者は「消費者には手頃な価格で提供しようと努力している。しかし、我々が努力しても、間違いなく過去の価格まで戻ることはない」と断言しています。

 農務大臣は25日、「価格は居間は高値止まりだが、間もなく市場は通常に戻るだろう。ブラジルは主要な輸出国とはいえ、肉を輸入できないわけはない」と語りました。