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政府は中国関係を一段強化へ

 5日付アジェンシア・ブラジルによると、ブラジルのエルネスト・アラウジョ外相は4日、政府は現在、中国との関係をさらに高いレベルへ引き上げているところだと語り、「輸出促進や投資拡大のため、(中国と)新たな関係を構築することを望んでいる」と、中国との関係を今以上に深める政策に取り掛かっています。

 中国およびBRICS諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)とブラジルの文化的、経済的関係の深化を図る目的で、今年4月に創設された国会議員連盟主催で4日に開かれたハミルトン・モウラン副大統領を表敬する夕食会で、アラウジョ外相は「中国、米国両国とは同時に有益な関係を築くことができる。何の問題もない」と述べ、伝統的にブラジルとの間で貿易および投資の良好な関係を維持してきた中国、米国と良好な関係を維持することに「矛盾」はないとの考えを示しました。

 中国は近年、ブラジルの有力な貿易相手国になっています。アラウジョ外相は「貿易と投資の両面で新たな道筋をつけるため、中国との対話拡大を奨励している」と、中国とのより緊密化の途を探っていると明らかにしました。

 ブラジル─中国の貿易総額は2018年、989億ドルに上っています。中国へ642億ドルを輸出し、中国から347億ドルを輸入しました。ブラジル中央銀行によれば、中国からブラジルへの直接投資残高は18年に690億ドルになっています。主な投資先はエネルギー分野(発電および送電、石油、ガス)、インフラ分野(港湾および鉄道)、金融、サービス・イノベーション分野に向けられています。

 ボルソナロ大統領は中国との関係促進を図るため今年9月、中国訪問を予定しています。次いで11月には中国の習近平国家主席が、BRICS首脳会議出席のためブラジルを訪れる予定です。