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ブラジル政界に大激震=ペトロブラス汚職=

 地元メディアによると、国営石油会社ペトロブラスと政界の癒着を洗い出す目的で連邦警察が3月に開始した特別捜査「ラバ・ジャット作戦」で、ペトロブラス元供給部長パウロ・コスタ被告が行った約80件の減刑付き告発を基に連邦警察が賄賂(わいろ)を受け取っていたとされる政治家のリストを公表しました。政界だけで新たに28人に上る容疑者の名前が挙がっており、8月に飛行機の墜落事故で死亡したエドアルド・カンポス大統領候補も含まれていました。
 減刑付き告発制度は連邦検察庁がコスタ被告への適用を許可したもので、ペトロブラス汚職事件に関する告発を行うことで自身の減刑が得られます。供述内容が連邦最高裁判所で受理されたためコスタ被告は既に拘置所を出ており、今後は刑期満了までリオ市内の自宅で過ごすことになります。
 リストには来年1月に2期目を迎えるジルマ政権(労働者党=PT)の官僚や国会議員州知事らが大勢含まれています。これまで関与を言及されていなかったブラジル民主運動党(PMDB)とブラジル社会党(PSB)両党政治家の名前も挙がってお り、リオ州のセルジオ・カブラル前州知事(PMDB)、マラニョン州のロゼアナ・サルネイ前州知事(PMDB)、前ペルナンブコ州知事で大統領選挙キャンペーン中に飛行機事故で死亡したエドアルド・カンポス氏(PSB)の名前も挙がっています。

現職閣僚ら政界重鎮も関与

 リストにはアント ニオ・パロッシ元官房長官(PT)、レナン・カリェイロス上院議長(PMDB)、エンリケ・アルベス下院議長(PMDB)、エジソン・ロボン鉱山動力相 (PMDB)、グレイシー・ホフマン前官房長官(PT)、マリオ・ネグロモンテ元都市相ら(PP)の名前もあり、政界に大きな衝撃を与え ています。
 新たに現役の州知事ではアクレ州で再選を果たしたチアン・ビアナ州知事(PT)、下院議員からはミナス・ジェライス州の バンデル・ロウベット下議(PT)とルイス・ファリア下議(進歩党=PP)、リオ州のアレシャンドレドス・サントス下議(PMDB)、リオ・グランデ・ ド・スル州のジョゼ・ジェルマノ下議(PP)らの関与が指摘されています。
 告発された政治家の所属政党の内訳を 見ると、PMDBが8人、PPが10人、PTが8人、PSBが1人、PSDBが1人となっており、これらの党が共謀してコスタ氏の供給部長に数十億レアル単位の契約を結ばせ、その上で契約額の数パーセントを収賄していた可能性が出てきました。
 コスタ氏の供述で、一部の政治家は頻繁にマージンを受け取っていたとみられているほか、選挙キャンペーン費用として100万レアルを超える金額を受け取っていた人物もいたことが判明しています。