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有力3候補の公約比較

 主にブラジルの政治関連ニュースを発信する「アジェンシア・ブラジル」の15〜25日付の報道記事(ウェブ版)から3大有力候補のジルマ氏(労働者党=PT)、ブラジル社会党(PSB)から出馬するマリーナ・シルバ氏(レデ党=Rede)、アエシオ・ネべス氏(ブラジル社会民主党=PSDB)の公約をまとめ、医療面について各候補の政策を掲載します。

ジルマ氏

 現大統領のジルマ氏は、自身が推進してきた医師拡充政策のさらなる拡大と、提供される医療の質の向上に力を注ぐとしています。また、24時間救急医療施設(UPA)をさらに多くの地域に設置して軽症の患者に対応する一方で、専門医による診療施設を拡大して重症患者の治療に当たらせるとして、病状のレベルによる分担医療を推進する方針を示しました。
 医薬品や医療サービスの効率的な分配に関しては、ブラジル政府の各州政府に対する投資の押し付けを避け、州政府による決定力を高めることが必要だと主張しています。

マリーナ氏

 PSBからの出馬するマリーナ氏もSUSのシステム強化を掲げていますが、特に草の根運動で始まったブラジル政府の経常利益の10%を医療分野に充てるという新法案「健康+10(Saude+10)」の承認を推し進めたいと述べています。
 マリーナ氏はこのほか国内100カ所に病院を、50カ所に産婦人科病院を建設し、各地の基礎医療施設(UBS)への食育プログラムの設置を目指しています。

ネベス氏

 現時点の支持率で2候補にリードを許しているネべス氏は、過去の診察内容、治療歴、手術歴などを患者ごとに一括データ化して、全国すべての医療機関で閲覧可能にする「全国統一カルテ」の実現と、コンピューターを使った遠隔医療の推進に尽力するとしています。また、医師拡充政策を引き継ぐ形で外国の医学部を卒業した医師らがブラジルで卒業証書再認定を受けることができるようにする履修コースの設置を提案しています。
 このほか、医療システムとSUSの統合、ジェネリック医薬品の国内生産の推進、検査設備と薬局を併設する専門医診療所を全国500カ所に設置したいとしています。