中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

希少種サルの子誕生=バウルーの動物園=

 地元メディアによると、サンパウロ州バウルー市内の動物園で、希少種のサルの子が2匹誕生しました。1匹は赤毛の手が特徴のホエザルで、既に生後30日が経過しました。もう1匹はフタイロタマリン種のサルで先週生まれたばかりです。
 ホエザルはアマゾン地域やブラジル北東部の大西洋岸森林地域に生息、絶滅が危惧されているサルです。フタイロタマリン種はブラジル国内でもマナウス周辺の一部の森林地帯にのみ生育している絶滅寸前の種類で、シコ・メンデス研究所が保護プログラムに重点を置いています。
 2匹が誕生した動物園のルイス・ピレス園長は「誕生したことを早く公表しなかったのは、来園者の好奇心を必要以上に高めて子ザルの生育が妨げられないようにするため」と説明しました。昨年行われたツクルビ、シングー、ジュルパリ間の送電線設置工事の森林伐採によって、家族と離れ離れになったホエザルの夫婦を発見し、そのままでは生き延びることができないと判断し、動物園で引き取りました。同園長は「こんなに早く子供が生まれるとは思っていなかった」と驚いています。
 フタイロタマリン種のサルの夫婦は、動物コレクターから引き取りました。同動物園では2年前にも同種のサルが誕生しており、園長は「我々の動物園はこのサルを飼育して繁殖させることに成功した国内唯一の動物園だ。この種のサルの保護プログラムが業務の一部となっている」と話しています。
 いずれのサルの夫婦も自然界に戻すことは困難で、子ザルを自然に放つ可能性がある場合は専門家による研究が必要になります。動物園で飼育されているサルの繁殖に成功したことで、ペットとして飼っていたコレクターからさらに3匹のサルを引き取ることにしており、新たなサルのグループが形成されることになります。
 2匹の子ザルの性別はまだ分かりませんが、早くも同園の人気者になっています。子ザル目当ての来園者が増え、1カ月当たり約2万人に上るそうです。