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大竹富江氏の生誕100年記念個展を開催

 地元メディアによると、ブラジルが誇る芸術家、大竹富江氏の生誕100周年を記念する個展がブラジル各地で開催されます。大竹氏は今年11月21日で100歳を迎え、個展のテーマは「型の流入(Influxos das Formas)」。バイア州からミナス・ジェライス州にまたがる全国15会場で行われます。同氏の生活拠点であるサンパウロ市ではオープニング式典が行われます。
 大竹氏はこの展示会のために、大竹富江会館の館長を務める息子のリカルド氏に1952年制作の小さな花の静物画を探してくるよう頼んでいます。これは、当時住んでいたモカ区で発生した水害被害を免れた数少ない初期の作品(主婦だった大竹氏が39歳で描いた処女作品)で、後に同氏のテーマカラーとなる真紅に塗られた花弁が印象的な絵です。大竹氏は「人間の本質な傾向に反する」という理由で、作品の中に直線を用いないことでも有名。この曲線美は息子で有名建築家のルイ氏の作品にも見受けられます。
 大竹氏は23歳の時に家族の反対を押し切ってブラジル移住。戦争の影響により日本に帰ることができなくなり、ブラジルに永住しました。夫のウシオ氏との間に子ども2人を授かり、二人とも建築家(ルイ氏と建築家で93〜95年にサンパウロ州文化局長を務め大竹会館の館長を務めるリカルド氏)として大成しています。