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政府、ルーラ前大統領に特別旅券を乱発行

 政治家、司法関係者、外交関係者らとその扶養家族に限って発行される特別旅券が昨年末、ルーラ前大統領の息子2人(ともに成人)と14歳の孫に発行されたていたことがフォーリャ紙の報道で発覚し、物議を醸しています。
 「外交パスポート」と呼ばれる特別旅券は、従来は大統領や元大統領、副大統領、国会議員、司法関係者、外交関係者などに限って発行されます。表紙が赤で従来旅券(青)と区別しやすく、入国審査の簡略化や、国によってビザ不要などの特権を享受できる旅券です。
 扶養家族である配偶者と21歳以下の子弟(学生は24歳、身体障害者は年齢無制限)も権利を享受できますが、ルーラ前大統領の場合は、成人である息子2人と二親等である孫にも発行されたことで問題視されているのです。
 ブラジル弁護士会(OAB)のオフィール・カバルカンテ会長はさきごろの記者会見で、3人に特別旅券の自主返還を求める方針を示し、これに応じない場合は提訴も辞さないと述べました。