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高裁の汚職捜査中止令に検察庁「不当な権力行使」と反発

 建設大手カマルゴ・コレア社による複数政党への不正献金資金洗浄容疑で起訴・立件手続きを進めていた連邦検察庁に対し、高等裁判所のアスフォール・ロッシャ長官は14日、「捜査の違法性」を理由に全捜査を打ち切る暫定命令を下したため、捜査をしてきた検察側が猛反発しています。 
 今回の検察庁の「カステロ・デ・アレイア(砂の城)」作戦は、電話盗聴を中心に事件を捜査。不正が疑われる政界、法界、企業界の各人の回線を盗聴し、通話内容を証拠に立件を行いました。ところが盗聴は法により特別なケースにしか認められないため、捜査の違法性を指摘した被告側弁護士の訴えをロッシャ長官が聞き入れ捜査中止を申し渡したものです。ただ裁定は一時的なもので、2月に開廷する高裁の審議で決定することになります。
 一方、事件を担当するカレン・カーン検察官は、高裁長官の裁定を猛烈に批判。長官が目を通した書類は、カマルゴ・コレイア社の弁護団が用意した「事実が歪曲されたもの」とし、詳細を添えたファイル120冊分の書類が届いていないと話しています。
 今回の裁定が本決まりになれば、資金洗浄容疑で起訴された4理事の訴訟と、7政党への不正献金訴訟(ともにサンパウロ地裁)、地下鉄建設の不正入札訴訟(バイーア地裁)のほか19訴訟に加えて、捜査中の32件についても中断せざるをえなくなります。