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リオ市で市バス炎上、麻薬密売組織の報復か?

 12月に入って、リオデジャネイロ市警察の麻薬密売組織壊滅へ向けての攻勢が激しくなってきました。リオは2014年のサッカー・ワールドカップと翌々年の五輪に向け、治安改善が最大の課題とされており、リオデジャネイロ州のカブラル知事も麻薬密売撲滅に向け警察当局を督励、ファベーラで麻薬密売撲滅作戦を展開するなど、積極的な手を打ち始めています。ところが密売組織も警察の攻勢に対し反撃を始め、1日にはリオ市の観光地コパカバーナ大通りの停留所に停車していた市バスに手製爆弾を投げつけ炎上させるなど、おとなしくなる様子は見えません。ブラジルの治安問題解決の難しさがここにあります。
 幸いなことに爆弾で炎上したバスは終着点に停車しており、乗客、乗員ともいなかったため負傷者は出ませんでした。警察は1日夜には、4リットル入りのガソリン缶と手榴弾を手にした青年と青少年3人の身柄を拘束し、事件の解明に努めています。州政府と警察当局による麻薬密売一掃作戦は、万難を排して継続する予定で、来年以降、取り締まり区域を徐々に拡大していく方針です。
 ファベーラの住人は、「家を一歩出れば、20人以上のゴロツキを見かける。たいていは武装しているか、麻薬を吸っているか。そんな場所では、怖くて子どもたちを連れて出かけるなんてできない」と、ファベーラが犯罪組織のアジト化していることに怒りを見せています。