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禁煙条例施行でも消費は「横ばい」

 地元紙の報道では、禁煙条例施行1か月後にサンパウロ州のタバコ売り上げを同州財務局が調査したところ、予想に反し横ばいだったことが分かりました。2007年に禁煙条例が施行されたイギリスでは、翌月の売り上げは11%減も落ち込んだため、多くの専門家が売り上げの低下を予測していました。喫煙場所が少なくなってもサンパウロの愛煙家は、タバコを手放さなかったことになります。
 調査は、今年1月から8月までタバコ業界の売り上げ額を月別に比較したもので、8月は1月比で200万レアル減に留まっていました。最も売り上げが多かったのは4月(5億2520万レアル)で、4月は政府がタバコの税金を引き上げて価格が3割上昇したため、小売店が値上げ前に買い置きしたことが影響したようです。最も低かったのは、大量の在庫を抱えた5月(3億2570万レアル)でした。
 国立ガン院タバコ管理課は、「1980年代に32%だった全国喫煙者率が今年までに半減したため、今後は喫煙者は急減しないだろう」と指摘しています。また、タバコの値上げによる影響が小さかったことについては、屋外での喫煙に抵抗が少ない暖冬だったためという見方もあります。