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ファベーラに軍配備して警察権行使

 リオ市北部のファベーラ、ビラ・クルゼイロ丘とアレモン丘を警察と軍隊の合同部隊が制圧、丘の周りに包囲網を敷き800人体制で麻薬組織員らの逮捕を続けています。リオ州政府は今後半年から7か月をめどに、両ファベーラに州保安局の平和維持警察2部隊を配備する方針です。国防省はこれに陸軍を参加させる予定で、「民主化以来初の軍による警察権行使」と注目を集めています。
 陸軍は、アレモン丘で年内にも開始される作戦の第2局面から投入される見通しです。国連ハイチ安定化使節団のようにファベーラ内をパトロールし、不審人物や容疑者の追跡、逮捕、家宅捜索などを行う警察権の行使を行います。今回の掃討作戦には、陸軍だけでなく海軍も装甲車の出動などで協力し、通常なら国内治安には不干渉の軍が、州警察や市警察と合同部隊を組み作戦を展開することに疑問を呈するマスコミもあります。

州民の88%「掃討作戦を支持」

 こうしたマスコミの見方に対し、市民は今回のリオ州の作戦を全面的に支持しています。Ibope社の世論調査によれば、リオ州民の49%が当局の麻薬組織掃討作戦を「絶対的に支持する」と回答し、「支持する」(39%)という回答と合わせ、88%の高支持を得ています。
 軍介入についても 93%が支持しており、作戦終了後、「治安は改善される」とした人が70%に上ります。サッカー・ワールドカップリオ五輪への影響については、36%が「少しある」、18%が「非常にある」と回答しています。