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スーパーマーケット見本市で日本企業がアピール

 国際スーパーマーケット見本市「フェイラAPAS2014」が、サンパウロ市のエキスポ・センター・ノルテ見本市会場で開かれ、JETRO(日本貿易振興機構)が日本ブースを設置、南部美人(岩手)、白鶴酒造(兵庫)、かねさ(青森)、西山酒造場(兵庫)、ブラジル・キリン(サンパウロ)、メザーニ(バウル)といったブラジル進出を狙う企業や日系企業が出展、自社商品をアピールしました。
 みその製造販売をしているかねさ企画開発室長の高田浄氏は「東南アジアや北米で商品を展開した実績はあるが、ブラジルではまだ実験段階。現在は日本食品店のスーパー丸海の販売網で可能性を探っている」と語りました。同社の目玉商品はフリーズドライで顆粒(かりゅう)にしたみそ。ペースト状のみそが使われにくいブラジル向きに、みそ汁でなく、ご飯やサラダにかけて食べる商品を出展していました。
 独自のルートや販売方法でブラジル進出を狙う西山酒造場は、中国やアメリカなど25カ国で販売し、南米ではパラグアイに商品を卸しています。輸出開始は業界内で後発だったという同社ですが、7年間で全売上の2割を占めるまでになりました。ブラジル進出は一度経験していますが、これから二度目の挑戦をする予定です。同社はパッケージデザインに力点をおいており、これについて西山周三社長は「味の品質追求はやって当たり前。味を分かってもらう以前に、商品を手に取ってもらう努力が必要」だと話していました。
  ブラジル・キリンは、3年前キリンホールディングスがブラジルの飲料メーカー、スキンカリオルを買収して設立。同社の企業方針について、取締役の今川潔氏 は「キリンの色に染めるのはなく、現地(スキン)のやり方を尊重した経営を目指す」と語り、同社の岡橋亮輔氏は「キリンの技術やノウハウを注入する ことで、既存商品の質の向上を狙う。味が良くなったという声も聞かれる」と話しました。
 半生パスタの製造販売では業界トップクラスの日系企業、メザーニは、戦前から旧名バウルのうどん・そばの名で知られた会社です。同社の長沢ユミさんは、「ラビオリが一番の売れ筋」と懸命にPRしていました。
  日本ブースを設置したJETROの森下龍樹氏は、「日本や東南アジアで成功していても、ブ ラジルで同様の方法が通用するとは限らないが、食品業界は伸びている市場。チャンスはあるはず」と日本企業がブラジルへ進出、活躍することに期待を込めていました。
 ▶写真はサンパウロ新聞提供