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ミニスカ女子大生騒動、欧米を巻き込んだ騒動に発展

 本欄でも取り上げたミニスカート姿で登校し構内を混乱させた女子大生に対しバンデイランテ総合大学は6日、「風紀を乱した」という理由で退学処分を言い渡しました。この異例とも言える大学側の厳しい処分に、本人はもとより有識者らも疑問視、さらに国内はじめ主要英米メディアまでもが大きく報道し、騒ぎは世界に広がっています。この騒動にブラジル文部省は、退学処分は人権侵害の可能性があるとして大学側に説明を求め、大学側を厳しく追求していく方針です。
 騒動は10月22日、同大サンベルナルド・ド・カンポ・キャンパスの観光学部生ゲイシー・アルーダさん(20歳、ジアデーマ在住)が、ショッキングピンクのミニスカート姿で授業を受けようとしたところ、男子学生らが「売春婦」などと騒ぎたて全学に拡大。全学生から野次を受けたゲイシーさんは、保護のため出動した警察官に付き添われて、大学を出る羽目になりました。騒ぎの様子がインターネットの映像サイトで流されたことで、大々的な全国ニュースとなり、欧米のメディアも報じる騒ぎになりました。
 予期せぬ出来事で汚名を着せられたバンデイランテ総合大学は、学内緊急会議を開き、「坂道で写真を撮り、クラスに回覧するなど自らが取った態度で学内を混乱させた」という理由で、退学処分にしました。同時に騒ぎを先導した学生6〜8人にも謹慎処分を言い渡しました。騒動に加わった学生600人について同大学は、「学舎を守ろうとする学生の集団反応」との見解を示し、「ゲイシーさんは、学内の規律やモラルを軽視した」と女子大生に問題があるとして処分を見合わせました。
 服装が理由で退学という異例の事態に、国内はじめ主要英米メディアまでもが大きく報道。事態を重く見た文部省は、大学に説明を要求しています。女子大生退学処分について文部省高等教育局のマリア・ダラリ局長は、「報道内容しか把握していないが」と前置きした上で、大学側が説明する「学生の態度」に差別的含蓄がないか検証する必要があると話しました。また、過去に起きた同様の2件では処分が軽かったことから、処分の妥当性についても調査する予定です。