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激化するリオ麻薬組織抗争

 17日に勃発したリオ市北部のファベーラにおける麻薬密売組織同士の抗争は、軍警の厳戒態勢にも関わらず激化しています。これまでに、警察官や一般市民を含む29人が死亡し、抗争範囲も拡大しています。
 20日には抗争の拠点となっているマカーコ丘の入り口付近で、麻薬組織員と見られる男性の遺体が見つかりました。遺体は右目がえぐり取られ、全裸で買い物カートに押し込まれた状態で路上に放置されていたといいます。遺体には全身に殴打の跡があることから、対立組織が拷問した後、射殺し、見せしめのために路上に放置したと見られています。遺体の身元は不明です。
 現場近くは軍警が厳重な警戒網を敷き、24時間体制で警備しているため、抗争は少しずつサンジョアン丘へ移行しています。同日午後には、リオ市内のフォゲテイロ丘とファレット丘でも銃撃戦が発生、組員1人が死亡するなど、抗争範囲が拡大の傾向が見られます。
 長期化の様相を見せる抗争に、一般市民らの不安は高まるばかりで、マンギンニョス区のファベーラでは、軍警の追跡から逃れようとした麻薬密売人2人が授業中の公立学校に逃げ込み、関係者らに衝撃を与える事件もありました。軍警は、今回の組織抗争をきっかけとして他の麻薬組織の活動も活発になっており、今後、抗争が飛び火する可能性もあるとして、市民らには注意を呼び掛けています。