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航空業界、熾烈な運賃競争勃発か

 ブラジル民間航空庁は海外旅行を促進し、観光業界の活性化のため、国際線の航空運賃規定を撤廃することにしました。この政策で国内外の航空会社間では運賃競争が激化することが予想され、消費者は格安で海外旅行が出来るようになる反面、TAMなどの国内航空会社にとっては厳しい経営を強いられることになりそうです。国内航空各社には外国の大手航空会社とまともに競争して勝ち残れるかどうかの不安もあり、この政策に強い反対の声を上げています。
 政策は、徐々に最低運賃を下げていき、これから1年をかけで全廃するものです。具体的には、日本行きの最低運賃は2046ドルと規定されてるものを、3カ月間は20%減の1637ドルに下げ、その後は3カ月ごとに5割カット、8割カットの最低料金とし、1年後には規定を取り払い、航空会社が自由に値段設定できるようになります。
 最低運賃規定は1993年に導入された国内の航空会社を国際競争から保護するための措置で、この規定がなくなることで国内の航空会社はもろに世界の荒波にさらされることになります。ブラジル政府は「市場自由化の波に押され、やむを得ない処置」としており、2008年9月には南米航路に限って既に最低料金規定は撤廃されています。