中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

航空機メーカーのエンブラエルが4200人解雇へ

 航空機メーカーのエンブラエルが、ブラジルをはじめ世界各国の全従業員2万1362人の2割にあたる4200人の削減を発表しました。原因は、金融危機の影響で世界的に航空需要が低迷しているためです。解雇の対象となるのは、製造・事務部門を中心に、管理職も含まれるということです。ブラジルきっての輸出企業としては原油のペトロブラス、鉄鉱石のヴァーレがあり、これまでエンブラエルはその2大企業とともに国内経済を牽引してきました。それだけに国内では、大きな動揺と憤りが渦巻いています。
 エンブラエルは収益の9割を輸出に依存しており、世界的な景気減速による航空需要低迷の直撃を受けました。2008年の第三・四半期は、同社の純利益が4840万レアル(2023万米ドル)のマイナスを記録しました。これは過去11年間において初めてのことです。これを受けて2009年度は、売上高を63億米ドルから55億米ドルへ、投資額も4億5000万米ドルから3億5000万米ドルに下方修正しています。
 2009年度の航空機納入予定台数は270機でしたが、そのうち30機が発注先の都合により搬入が見合わされています。それでも過去最高の納入台数になりますが、フレデリコ・クラド代表取締役は「製造部門は30%以上落ち込んでいる。コスト構造と労働力の見直しが避けられない」と人員整理の必要性を強調しています。