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調査捕鯨でブラジル紙が日本非難

 日本の調査捕鯨に対し反捕鯨国の風当たりが強まっていますが、ブラジルも反捕鯨国として日本の調査捕鯨には厳しい態度を取っています。そんな時(1月8日)、南極海で調査捕鯨をしている捕鯨母船「日新丸」とグリーンピースの監視船「アークティック・サンライズ」が衝突しました。船団を出している日本鯨類研究所は、グリーンピース側の船が日新丸にぶつかってきたと説明。一方、グリーンピース側は、日新丸がグリーンピースの船にぶつかってきたと話し、両者の主張に食い違いを見せています。
 この事故をブラジルの有力紙フォーリャ・デ・サンパウロは「日本の船がグリーンピースの船にぶつかった」というロイター通信配信の記事(グリーンピース側の言い分のみ)を新聞に掲載しました。内容は、グリーンピース監視船のリーダーが「日新丸に衝突された。衝突は故意だった」と話した、というもので、日本側の主張は全く記されていません。サンパウロ総領事館は記事を掲載したフォーリャ・デ・サンパウロに、「グリーンピースの主張だけを記載するのは公正に欠き、日本側の主張も載せるべき」と抗議をしています。
 サンパウロ総領事館の主張は「調査捕鯨をしている鯨類研究所の見解に沿ったもの」で、同研究所は「グリーンピースは調査船団のたび重なる退去勧告にも関わらず、船舶の異常接近や調査船へ乗り込もうとする海賊行為ともいうべき違法で危険な調査妨害活動を繰返した」としています。
 アジアのみならず、世界各地で摩擦を起こす日本は、このままでは世界中の嫌われ者になりかねません。ちょっと心配です。