中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

ブラジル・カーニバルが開幕

 地元メディアによると、ブラジルが熱狂の渦に巻き込まれるカーニバルが21日から始まりました。26日までカーニバル休暇に入ります。サンパウロ市内では休暇を愉しもうと市を脱出する車で主要道路は早くも大渋滞に陥っています。場所によってドライバーは時速4㎞というのろのろ運転を強いられています。

 主要道路の交通を監視しているTraffic Engineering Compan(交通エンジニアリング社)によると、21日だけで約200万台の車両がサンパウロ市を脱出すると見ています。多くの人は海岸で休暇を愉しむため、内陸部から海岸に通じる主要道路は車が集中、大渋滞を引き起こしています。

 カーニバル会場とは別に、市内各所で繰り広げられる路上カーニバルのために、560本の定期バスが路線を変更して運行しています。コロナウィールスの感染者がいないブラジルでは。沈滞する日本と違い、お祭り騒ぎで盛り上がっています。

ダム決壊のヴァーレが大幅な赤字

 地元メディアによると、鉄鉱石会社のヴァーレが20日、昨年の決算を発表、66億レアルの赤字だったとしました。過去20年間で2番目の赤字額です。

 同社の主な赤字の原因は、259人が死亡、11人が行方不明になった残滓ダムの決壊により、修理費用など関連費用によるものとしています。ただ同社は、ダムの事故で株式が全体で数十億レアルほど値下がりしましたが、財政的な影響を最小限食い止め、投資家の信頼を取り戻しつつあるとしています。

ボルソナロ大統領が女性差別反対演説に苦い顔

 地元メディアによると、ブラジル弁護士協会のフェリペ・サンタクルス会長は19日、上級労働裁判所のクリスティーナ・ペドゥッツィ新長官就任式で「賃金の不平等を持続させ、女性差別を推進するマッチョ文化を批判する」と述べて賞賛されましたが、出席していたボルソナロ大統領は賛意を示しませんでした。

 サンタクルス会長は「私はブラジルに日々献身しているすべての女性に敬意を表し、全ての労働者とこの式典に出席する女性ジャーナリスト、女性判事、女性弁護士を讃えたい」と、働く女性に最大級の賛辞を送りました。

 同式に出席していたボルソナロ大統領は、クリスティーナ長官は1970年代にテロリストグループの仲間だったと昨年7月に発言、それ以来両者は犬猿の中で、この日もサンタクルス会長のスピーチを評価しませんでした。

 大統領は18日、女性記者のスクープ記事に対し、彼女を批判するコメントを発表し、市民団体から「大統領の態度は女性嫌悪的で民主主義の原則と矛盾する」と指摘されています。

ルイ・大竹デザインの大邸宅が競売

 地元メディアによると、サンパウロ南地区の高級住宅街にある元銀行家の大邸宅が18日、2750万レアル(約7000万円)で競売に出されました。物件はルイ・大竹のデザインで資産価値は7800万レアル(約18億円)と評価されています。

 この物件は2005年に破産したサントス銀行のオーナーが所有していたものです。裁判所が銀行家が所有していた邸宅を没収、破産処理のため競売にかけました。これまで入札が繰り返されましたが、入札額が評価額を大きく下回り債権者の了承が得られず、2750万レアルを最低入札額として4回目の入札が実施されることになりました。

 物件はサンパウロ市内でも最大級の邸宅で、建築面積は8000平方メートル、年間の維持費が100万レアルもかかります。邸内には10万レアル以上といわれるマホガニーのテーブル(24人が座れる)、部屋に食べ物を運ぶ専用のエレベーターなどがあり、ダイニングルームの壁は金で覆われているという豪華なものです。

 裁判所は「残念ながらこの価格では、負債総額を全面的には完済できないが、これまでに17億レアル以上が支払い済である。破産の多くは、負債総額の20%も支払われないのが通例で、今回は50%以上が支払い済みである」と邸宅の価格設定を説明しています。

 元銀行家は芸術作品のコレクターとして知られ、数多くの名作を所有、邸宅とは別に競売にかけられています。

サンパウロ市が豪雨被害

 地元メディアによると、サンパウロ市を10日に襲った豪雨で、100万レアル以上の輸入車が水没するなど、大きな被害を受けました。

 豪雨は過去37年間で最悪と言われるもので、1万人以上が消防に救助を求め、サンパウロ州全体でも6人が死亡しました。サンパウロ市当局はこれまで、道路の整備、河川の浚渫を進めてきましたが、今回の豪雨はそれを上回る降雨量で、水が道路に溢れました。このため路上の車が水没するなど、車の所有者に大きな打撃を与えました。

ドル高が一服

 地元メディアによると、為替市場はドル高レアル安の相場が続いていましたが、13日、1ドルが4.38レアルの安値にまで進行後、中央銀行外国為替スワップ契約の追加オークションを発表したことでレアルが上昇し始め、終値は4.35レアルで引けました。

 中央銀行は、2020年8月、10月、12月に満期となる最大2万件の伝統的なスワップ契約をすべて売却し、ドル高の是正を行う予定です。この発表に金融市場は敏感に反応、ドル安に転じました。

 JPモルガンはブラジルの通貨の見通しを「購入」から「中立」に修正しましたが、アメリカの他の銀行は、レアルは中期的に見れば、引き続き明るいと指摘しています。

バス乗客に警察官が暴行

 地元メディアによると、インターネットに挙げられたバスの乗客に暴力を振るう警察官の映像が問題になり、12日、軍警は映像に登場する2人の警察官について調べを始めました。

 事件は11日夜にサンパウロ南部のバスターミナルのバで起きました。警察官2人が乗降扉近くに立ち、下りろと呼びかけます。乗客は降り始めますが、右手に物を持った人に1人の警官が暴行を加え始めました。続いてもう1人の警官が男の子を引っ張ってドアのところに現れました。彼は叔父を呼んでくれと叫んでいます。インターネットの映像には、こうした状況が記録されていました。

 映像は途中がカットされて警察に持ち込まれました。このため警察は、暴行をしたと思われる警官2人を職務停止にするとともに、何が原因でこうした事態が起きたのか、詳しい事情を調査しています。

ドル高レアル安が続く

 地元メディアによると、米国ドルは11日、対レアルに対し高値が続き、2日間連騰しました。終値は4.32レアルで引け、一時は4.34レアルというドル高レアル安でした。

 市場では景気回復の鈍化で、レアルに対する投資魅力が薄れている、としています。実際の両替では1ドル4.75レアルというレアル安になっています。このレアル安で、10年ぶりにブラジル人の海外旅行者が減少しています。

エレベーター墜落事故で4人死亡

 地元メディアによると、12月30日、サントスの住宅でエレベーターが墜落し家族4人が死亡した事故で、サントス市役所は現場保存を行うとともに、原因の究明に乗り出しています。責任を問われているエレベーター管理会社は事故は部品の欠陥が原因と指摘し、13日に追加の現場検証を行うと表明しています。

 エレベータ事故で死亡したのは、エリック・ミゲルさん(19歳)、エディルソン・ドニゼテさん(45歳、父親)、ルシアニ・デ・ソウザ・ゴーズさん(45歳、母親)、ジュセリーナ・サントスさん(43歳、母親の姉妹)の4人。現在エレベーターは居住者の安全確保のため、使用されていません。

 会社の管理違反が確定すると会社は6200レアル(約156,000円)の罰金が科せられ、サントスでのエレベータ保守サービス事業が出来なくなります。

下院が副議長解任の最高裁決定を覆す

 地元メディアによると、ブラジル下院は5日、最高連邦裁判所のホセ・ウィルソン・サンティアゴ副議長の解任を覆し、続投を決定しました。副議長の解任を下院で認めるには賛成257票が必要でしたが、170票しか集まらず、ホセ副議長の解任は否決されました。副議長は昨年12月から職務を離れていましたが、下院の決定で職務に復帰することになります。

 ホセ副議長は昨年12月、パイプライン建設に関して、準備されていた資金を横領した容疑で司法当局の追及を受けました。解任は、副議長の犯罪が確定する前に行われ、判事は「犯罪のためにこのポストを使用でき、その予防措置として行われた」と主張していました。

 弁護側は、「調査では横領の事実関係が実証されていない」と指摘していました。