中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

運転手の抗議行動が社会生活に影響

 国内メディアによると、軽油価格の高騰でトラック運転手の街道封鎖の抗議行動が始まりましたが、開始から5日目となる25日も国内各地で続きました。政府と運転手団体は24日の協議で、政府側から抗議行動を15日間停止するための提案が行われ、1団体を除く会合出席団体の代表者と合意に達しました。しかし25日になっても、街道封鎖は続いています。

 政府は協議で、軽油価格を30日間10%引き下げ、軽油の納付金税率を年末までゼロとする、軽油の製油所価格の調整を30日ごとにするといった17項目を提案、出席の運転手団体と合意しました。各団体は抗議行動参加者に対し合意内容を説明していますが、パジーリ官房長官は「街道封鎖の解除が始まっても、正常化するのは週明けになる」としています。

 トラック運転手による抗議行動は、幹線道路の一部車線に車両を停めることで道路を封鎖する方法です。21日に始まった抗議行動は国内の物流に影響を与え、各地で燃料や食料品などの供給不足が起きています。ガソリンスタンドの中には燃料を供給できない状態も発生しており、給油可能なスタンドには市民の車両が列をなしています。燃料供給の不足は自治体にも影響をおよぼし、大都市を中心に市バスの運行回数を減少するところも現れています。

 サンパウロ州カンピーナス市役所は燃料販売企業に対し、供給が正常化するまで患者の搬送、学校生徒の送迎、医薬品の分配、食料品配送、ごみ収集、治安部門への燃料補給を優先するよう布告しました。サンパウロ市、リオ・グランデ・ド・スル州ポルト・アレグレなどの大都市でも同様の措置が執られています。ブラジリア空港では25日、航空機の備蓄燃料が深刻な状態になり、国内および国際線9便が運行を中止しました。

 抗議行動は医療部門にも影響を与え、全国保健連合は医療用酸素、麻酔用の材料、医薬品、医療材料などが不足する医療施設が出始めているとして、抗議運動参加者にこれらの資材を運ぶ車両の通過を認めるよう呼びかけています。