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絶滅危惧種コビトイルカの個体数減少

 地元メディアによると、シコ・メンデス生物多様性保全院がリオ市のシンボルとなっているコビトイルカ(boto-cinza)が絶滅の危機に瀕していると警告しています。写真鑑定によって確認されたコビトイルカの数はリオ州の海岸全域で約2000頭になっており、湾岸の汚染によって今後さらに減少する可能性があるとしています。
 コビトイルカはリオ州のセペチバ湾に1000〜1200頭、イーリャ・グランデのベルデ海岸に800〜1000頭生息しています。グアナバラ湾にも生息していますが、水質の低下や乱獲などで1980年代には400頭確認されていたのが現在では40頭にまで減少しています。
 コビトイルカ研究所のコーディネーターで生物学者のレオナルド・フラシ教授は、「水質汚染を抑えることができなければ今後10〜20年でイルカの繁殖が困難な状態となり、50年あるいは100年のうちにリオの湾岸から姿を消すことになるだろう」と警鐘を鳴らしています。
 今年に入ってからグアナバラ湾で既に5頭のイルカの死体が発見されています。これは昨年1月に確認された45頭の12%に相当します。セペチバ湾では少なくとも40頭の死体が発見されており、グランデ島でも7頭の死体が見つかりました。リオ市の海岸に現れるのは絶滅危惧種のコビトイルカだけでなく、バンドウイルカも南部海岸に生息し繁殖していますが、2011年以降は姿が確認されず、絶滅寸前の状況に追い込まれています。