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エクアドルで犯罪組織が暴動

 南米エクアドルで犯罪組織の暴力沙汰がエスカレート、政府は「内戦状態」を宣言しました。ブラジルのメディアによると、犯罪組織ロス・チョネロス・グループの責任者フィトが8日、刑務所から脱獄した後、刑務所の看守や警察官が殺害され、警察近くには爆発物が投げ込まれ、テレビ局スタジオに乱入し発砲するなど犯罪組織の暴力沙汰が拡大、同国のダニエル・ノボア大統領は9日になって非常事態を宣言しました。

 非常事態宣言で大統領は陸軍と警察に武力で犯罪組織を無力化するよう命じました。市民に対しては午後11時から午前5時までの夜間外出禁止令が出されています。大統領官邸と地下鉄の各駅も警備が強化されました。警察は9日、司法長官暗殺計画の疑いで犯罪組織の指導者を逮捕しています。

 マチャラ市、キト市、ロスリオス県では誘拐事件が起きており、誘拐された中にはブラジル人も含まれている可能性があり、ブラジル外務省は、この事件を注視していると述べています。エクアドルの新聞によると、犯罪者がグアヤキルの大学に侵入し授業が中断される事件も起きています。エクアドル文部科学省は、12日まで全国の学校で対面授業を停止しました。

 ノボア大統領は36歳で、エクアドル最年少の大統領です。同大統領はコロンビアやメキシコの犯罪組織とつながりのある麻薬ギャングを取り締まるという公約を掲げ、10月に当選していました。今回の暴動は、ノボア政権に反発して起きたと見られています。世界最大のコカイン生産国であるコロンビアとペルーの間に位置するエクアドルは麻薬戦争の拠点となっています。 2023年は7,800件以上の殺人事件が起き、220トンの麻薬が押収され、人口1,700万人のエクアドルで最悪の記録になりました。