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ブラジルがアフリカ6か国からのフライト中止

ブラジルのメディアによると、非常に感染力が強いといわれる新型コロナの変異種オミクロンが南アフリカで検出され、アフリカ諸国に急速に広がっています。今のところブラジル保健省はオミクロンを発見していませんが、政府はブラジルへの侵入を防ぐため、29日からアフリカ南部の6か国からのフライトを中止すると発表しましました。

 世界保健機関(WHO)は「オミクロンを注意すべき病原体」と懸念を表明し、専門家は現在、伝染力はどのくらいか、攻撃的力はどうか、保護効果のあるワクチンはあるのかといった点の解明に取り組んでいます。現在、詳細な情報はありません。26日、WHOはオミクロンをアルファ、ベータ、ガンマ、デルタに次ぐ5番目に分類しました。

 リオグランデ・ド・スル州のフィーベール大学のウイルス学者、フェルナンド・スピルキ教授は「南アフリカのおかげで一連の突然変異とそれらの分析結果で、心配な変種であることが理解出来る」と話し、他の専門家も、「問題を封じ込めるには、今後数日のうちに国境閉鎖などの対策を迅速に取ることが不可欠」と指摘しています。

 科学技術革新省も、「オミクロンのリスクを減らすために、入国する個人を適切に追跡し、特に空港では症状の有無にかかわらず全ての乗客に対して検査をする必要がある」と述べています。政府がフライトを中止するのは南アフリカボツワナエスワティニ、レソトナミビアジンバブエの6か国です。

 ブラジルは、アルファ変異種が英国で流行し始めたとき、同国からのフライトの制限をしませんでした。そして米国でもアルファ変種の激しい流行がありましたが、こちらも国境を開放したままでした。これがブラジルへの侵入を許し、今回のオミクロンについては同じ轍を踏まないと政府は、流行地からのフライトを早々に禁止することになりました。