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ブラジルで学校再開に賛否両論

 ブラジルのメディアによると、連邦下院議会は13日、新型コロナのパンデミック中でも学校の対面授業の中断を禁止する法案を賛成307票、反対131票で緊急性があると承認しました。この法案の緊急性が認められたため、委員会での議論を行われずに上院に上程され、上院で可決され大統領が署名すると実行に移されます。

 同法案は、公立および私立の対面形式の基礎教育および高等教育は不可欠な活動で再開が妥当としています。しかし、州や地方自治体の自治権を蔑ろにし、感染のリスクを高めるとして批判する議員も少なくありません。学校活動の停止は、パンデミックが始まって以来、コロナウイルスの蔓延を抑えるために知事と市長に委ねられている措置の1つです。

 国の教育長官評議会は、同法案に反対する文章を発表しました。そこでは「国全体を単一の決定で縛り、州や地方自治体に学校の開校を強制する時期ではない。また、実施されている対面授業禁止の予防措置は、状況を勘案して実行されているもので、法案はさまざまな地域の状況を無視するものだ」と主張しています。

 また、議会教育委員会議長も、「学校の再開については話し合うべきであるが、学校、地方自治体、州の考えを踏まえて議論すべきだ。学校の半数は基本的な衛生設備も整備されていず、教育者の命を危険に晒しかねない」と指摘しています。

 これに対し法案提出の議員は「子供たちは教育を奪われてきた。学校は早々に開校する必要がある。ワクチンが行き渡るのが何時になるかハッキリしない今、それまで子どもたちの教育を中止しているわけにはいかない」と反論しています。