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マイウェイ作戦が急展開

 地元紙の報道によると、国営石油会社ペトロブラス社と政界の贈収賄の調査を進めている連邦警察は、4州の26企業と関連容疑者の家宅捜査や収監を含む特別捜査「第9次ラバ・ジャット作戦(別名「マイウェイ作戦」)」で、7日までに外貨を含む318万レアル(約1億3590万円)相当の現金、高級車、美術品などを押収しました。5日に逮捕されたペトロブラス社側容疑者の証言で、スイスの銀行口座で賄賂を受け取っていた実行者(オペレーター)の存在も明らかになっています。
 ペトロブラス社のエンジニア部門で前課長だったぺドロ・バルスコ・フィーリョ容疑者は「減刑付き告発制度」の適用を受けることに同意したため、汚職が行われていたとされる期間中にペトロブラス社が下請け企業各社との間に締結した89件の契約とペトロブラス社に払われた金額を明記した一覧表を連邦警察に提出しました。この一覧表で契約のうち26件の取り付けに際して支払われた賄賂がサフラ銀行のスイス国内の支店にマリオ・ゴエス容疑者所有の二つの口座に振り込まれていたことが判りました。バルスコ・フィーリョ容疑者の証言からは、リオ市内のゴエス容疑者の自宅で数個のリュックに詰み込まれた現金を複数回にわたって受け取ったという仕組みも明るみに出ました。 
 連邦警察はゴエス容疑者の収監令状を出し行方を追っていたところ、同容疑者は7日の午後、パラナ州クリチバ市の連邦警察署に弁護士を伴って出頭しました。

BR新総裁にブラジル銀行ベンジーネ氏

 ペトロブラス社は同作戦が開始した翌日の6日に経営審議会を開催、フォステル前総裁の後任としてブラジル銀行のアルデミル・ベンジーネ総裁(51)、新財政部長として同行のIR担当イバン・モンテイロ副社長など計5人を選任しました。しかしベンジーネ氏は石油事業での経験がない上、全会一致での承認とならなかったことから、この人選に不満を持つ一部の役員から批判が噴出しています。この影響でペトロブラス社の株は大きく下落しました。今後ジルマ政権は、同氏の抜擢が正しい選択だったことを証明する必要に迫られますが、当面はモンテイロ氏の資金調達力に期待が懸けられています。