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大統領が個人所得税調整率で拒否権発動

 地元メディアによると、ジルマ大統領(労働者党=PT)は20日、昨年末国会で承認された暫定令644号の中で個人所得税の調整率を6.5%と定めた部分に拒否権を行使しました。現在ブラジルでは月収1787.77レアル以下の所得者は個人所得税が免除されています。6.5%の調整額が実施されれば月収1903.98レアル以下の所得層まで免除対象が拡大されることになり、約70億レアルの税収減となるところでした。
 ブラジル政府は6.5%の調整率に代わりインフレ目標中央値と同じ4.5%を維持する意向で、省庁調整局のペペ・バルガス局長は記者会見で「新たな暫定令を数日中に国会へ提出する予定だ」と発表しています。4.5%の調整率では給与上昇に対応できず、結果的に所得税免除対象者が減少になるという声もあります。
 ブラジルでは個人所得税の税率は7.5〜27.5%と定められており、上限の27.5%は世界水準と比べると低く、アルゼンチンでは30%、チリは40%、先進国の中には50%以上の国もあります。