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屋内での喫煙行為を全国で禁止

 地元メディアによると、屋内での喫煙禁止を定めた禁煙法が3日からブラジル全土で施行されました。屋内の定義は広く、屋根や壁だけでなく仕切りや天幕で部分的に閉鎖されている空間であっても禁煙法の適用対象となり、今後は自宅、公園、広場、サッカースタジアムの覆いが無い場所、または一部のたばこ販売所でのみ喫煙が可能となります。例外として、宗教儀式でたばこが必要と認められた宗教施設内での信者の喫煙も許可されます。
 広告についても制限され、たばこ販売所で広告用ポスターを張ることが禁止となり、商品の陳列のみが認められるようになります。さらにメーカー側は、商品パッケージの裏側全体と側面の一部に健康へのリスクに関する説明を記載しなければなりません。
 法令に違反し喫煙を行ったの場合、施設側に2000〜150万レアルの罰金が科せられ、営業権をはく脱される可能性もあります。ただ喫煙者への罰則規定はありません。

2011年から22州で実施済み

 この法案は2011年に承認され、ラジル国内の22州と連邦直轄区で実施されていますが、屋内での喫煙まで禁じているのは8州のみでした。3日から全国で一律に適用されるようになったのは、反対を表明していた業界団体との調整が行われたためです。
 厚生省によると、喫煙による健康被害で昨年1年間だけで14億レアルの国庫負担が生じたとしています。専門家は今回の法律の施行を、喫煙を開始する若者の数や喫煙者の吸うたばこの量を減少させるきっかけになると評価しています。